「色」で観る『ルビー・スパークス』 恋が変える、カレを取り巻く世界の色々
、に身を包んだルビーがシリアルを食べているのですが、その食器が赤いボウル。これはきっと、カルヴィンが作家の割に、女性については晩生で、女性といえばこんな感じという固定観念しか持っていなかったことの表れかもしれません。何しろ、彼女は彼が考え出した女性なのですから。
ところが、ルビーが単に自分の創造物ではなく、自分の意思を持った女性として生き始めると、赤だけでなく青など別の色が彼女のワードローブに加わり始め、やがてそれらが組み合わされるようになってきます。それは、始めは誰かとイメージ先行で付き合っていても、やがてその人について知っていくうちに、さらに多面的な魅力に触れていくものだというメタファーなのかもしれません。
とはいえ、そんな見方をしなくても、色をたくさん取り入れたルビーのファッションは、実にキュート。数年前に流行し、その魅力に多くの人が気づかされたカラー・ブロッキング的なコーディネートがいっぱい。鮮やかなブルーのワンピースにパープルのカラータイツだったり、ブルーのカーディガンに赤のカラーデニムだったり、イエローのカーディガンに白のインナー、デニムのショーツに、赤のタイツだったり。