チェルノブイリ原発事故描いた『故郷よ』 オルガ・キュリレンコ インタビュー
ミハルは芸術家だと思うわ。それにウクライナで起こった大惨事を扱っていたから。その事件当時、私はすでに生まれていて、小さかったけどニュースになっていたことは覚えていたの。だから、とても親近感を抱いたのよ。でも、製作側からオファーが来ることに慣れてしまっていたから、オーディションをすると言われたときは戸惑ったの(笑)。でも、私が抱いている思いを、役を通して作品に投影できると思ったの」。
そんなボガニム監督のこだわりもあってか、「この役を演じなければいけないと強く感じたの」とオルガは作品への、役への思いがさらに強くなったと語る。実際に、資金集めに苦労していることを知ると、自らが製作費を集めるために奔走したほどだ。
「この作品は、私にとって特別なプロジェクトで、赤ん坊のようなものなの。悲劇ではあるけど、私の国で起きた出来事がテーマになってるからね。このストーリーは語り継がれるべきなの。『このテーマは話し合われるべき?』、『この作品は上映するべきか?』と地元の人々によく聞かれたけど、毎回『もちろん』と答えていたわ。何か悪いことがあって、怖かったり後悔するようなことが起こると、話し合わずに何も起こらなかったかのように振る舞う人もいるけど、私はそれには反対なの。