オスカー受賞デザイナーが語る『アンナ・カレーニナ』 原作から離れた“再解釈”のドレス
奥が深いドレスの世界――。そのドレスをさらに輝かしているのが、“宝石”の存在だ。ジャクリーンは本作に登場する“宝石”について次のように語っている。「ジョー・ライト監督とキーラとの最初の頃の話し合いで、私たちはアンナが身に着ける宝石はすべて本物がいいだろうと考えたの。彼女は富裕層がたくさんいる19世紀後半のロシアの上流階級に生きる女性でしょ。それにアンナはさまざまな宝石を所有するという、ある種の虚栄心に陥っているように見えるから」。さらにジャクリーンは「シャネルにコンタクトを取ったところ、彼らは喜んで力を貸してくれたわ」という撮影秘話まで明かしてくれた。「パリに向かった私たちに、彼らは自由裁量を与えてくれたの。
だから、私は同時代に存在したコレクションの中から、私が時代に即していると考えた宝石すべてを使うことができたわ。『コメディア』のネックレスはとてもモダンでとても女性らしいものよ。それに真珠がついたダイヤモンドの繊細なイヤリングもシャネルから借りたものだけど、ぴったり合っていると思った。ダイヤモンドほど華麗なものはほかにないわ」。
これだけ美しいドレスに宝石、さらにはジャクリーンが「不幸にもすべて本物なの」