2013年12月19日 20:30
【ディズニーの楽しい映画の作り方 第3回】ディズニーアニメの鉄則「常にリアルに忠実に」
「常にリアルに忠実に」よ。
――アニメーションからイメージすることと言えば、「想像の世界」「思い通りの世界」と思いがちだが、ディズニー作品の根底にあるのは徹底した「リアル」。それはむしろアニメーションであるからこそ、そこの一線を越えないようにディズニーのアニメーターたちは描いているという。もちろん妥協のない分、時間もかかるだろう。最初に見せてくれたストーリー・ボード10数枚分のワンシーンを作るのに、どれくらいの時間がかかるのだろう?
シェリル:ストーリー・ボードの状態から、テストCG(クレイ・ホール監督に見せるチェック用のアニメーション)にOKが出るまでクオリティを上げるだけで大体2週間はかかるわ。その間には10回くらい監督と話し合って、また作り直して、またチェックして…その繰り返しなの。
最初にアニメーター一人一人に、“ここからここまでがあなたの担当”という風に各シーンの担当が割り振られるの。それを各人が、十数秒のシーンに細かく分けて少しづつ、少しづつ作り上げていくのよ。
感情を表すために、サスペンションを伸ばしたり縮めたりしてポーズを試しては作り変えて、最後にリップシンク(キャラクターの口元の動き)