【特別映像】ベネディクト・カンバーバッチ、奴隷制度のもどかしさを痛感…『それでも夜は明ける』
本作でベネディクトが演じるのは、誘拐されてきたソロモンを奴隷商人から最初に“購入”するフォード。牧師であるフォードは、奴隷制がキリスト教徒の道理に相反していることを頭では理解していても、何もできない。頭が切れ、飲み込みの早いソロモンを気に入り、優しく接してはいるが、基本的には奴隷制を支持しているのだ。
ある日、フォードは借金の返済のため、非情な奴隷主エップス(マイケル・ファスベンダー)にソロモンを引き渡すことになる。「フォードにとって最も苦渋のときは、自分の借金を清算するため、エップスに権利を手渡すところだ」とカンバーバッチは言う。
「ある意味それはローンのような、抵当権のようなものだ。彼は、借金を返す代わりに、この価値ある人間を担保にする。恐ろしいことだ。
自分がしていることは百も承知で、それが彼の魂をひどく苦しめる。でも彼はやめない。そこが境界線だ」と、自身の演じた牧師フォードの“良心”に思いを馳せる。
「フォードがどれほど善良でも、それを分かってやっているなら、彼は本当に善良にはなれない。21世紀の目で彼を判断するのはとても簡単だ。ソロモンでさえ、ああいう環境に生まれたからと同情するのは簡単だ。