くらし情報『【インタビュー】松山ケンイチ×蒼井優 標高3000mで全てを捨てて向き合った“いま”』

【インタビュー】松山ケンイチ×蒼井優 標高3000mで全てを捨てて向き合った“いま”

「東京にいると、情報があり過ぎて、頭がいつもフル回転していて、本当は自分と関係ないどうでもいいことまで入って来ちゃったりする。でも山に行くと、そういうものが一切ないので、ある意味で自分の声だけしか聞かなくて済むので落ち着くんですね。改めて人間は自然の中の一部でしかないって強く感じました」。

蒼井さんも松山さんの言葉に深くうなずく。約30人の撮影隊の中で、決して女性の割合は高くなかったが「狭いし、お風呂もないような場所なんですけど、みんなで生活していく中で、自分が俳優であるということや年齢・性別とか、自分に付随している“記号”がどんどん取っ払われていくんです。それは、こういう環境でないと気づけない、貴重な体験でしたね」と笑顔で語る。

2人を“丸裸”にしたのは自然だけではない。黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』でのカメラマン助手としてのキャリアに始まり、『八甲田山』、『鉄道員(ぽっぽや)』など数々の名作に携わり、カメラを通して本物を見続けてきた木村大作。
自らレンズをのぞく木村監督の眼は、時に自然以上の厳しさでもって俳優陣の芝居を見つめ、“生”の芝居を引き出していった。松山さんは言う。

「大作さんの前では嘘をすぐに見抜かれてしまう気がします。

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