【シネマカフェ的海外ドラマvol.317】ドラマ俳優とブロードウェイの関係性/舞台「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」
ですが、現在はニールからアンドリューにバトンタッチ。
性転換手術を受けて男性から女性へと姿を変え、まだベルリンの壁があった頃の東ドイツから自由の国アメリカへと旅立ったロックシンガー、ヘドウィグをアンドリューが演じています。
手術のミスで股間に“アングリー・インチ(怒りの1インチ)”を残したヘドウィグが、いびつで波乱に富んだ人生と向き合いながらもがき、叫び、ありのままの自分にたどり着くまでの物語は、2001年の映画版でご存じの方も多いはず。その原点とも言うべき舞台は、バンドを組んで全米各地を回るヘドウィグが観客たちに自らの人生を語り聞かせ、歌い上げる形で進んでいきます。
カラフルさと寂れ具合を絶妙に融合させつつ、ヘドウィグの現在と過去の物語に誘うため練りに練られたセットも去ることながら、やはり注目すべきはスラッと長い脚で高いヒールを履きこなし、厚塗りのメイクとこってり衣装でヘドウィグになりきるアンドリューのパフォーマンス!
大ヒット舞台「ブック・オブ・モルモン」でも知られる彼ですから、歌声の素晴らしさは言わずもがな。美しくも激しいロックサウンドにのせて、ヘドウィグの様々な思いを吐露する様に痺れさせられっぱなしでした。