【インタビュー】俳優・役所広司の声の仕事 “カタチ”をとらない導き手
最初からそこを狙っているわけではなくて、やっていくうちに、そっちの方が映像や番組の雰囲気に上手く合ってくるものとして、そういう形が出来てくるんじゃないかと思います。
ただ僕も今回、『地球イチバン』をやらせてもらって、語り口が定着していくかもしれませんね。独自というか…僕の癖も出てくるでしょうし。それが良い雰囲気になればいいですけど。できるだけ同じ形じゃなくて、毎回毎回違う雰囲気になればいいなって。(その旅に寄り添うような?)そうですね。旅人と現地の人たちが、浮き立つようにできればいいなって思います」。
この取材を行ったときは、収録の真っ最中。
「朝から収録で、この後も実はあるんです(笑)」と明かしてくれた。そんな役所さんに「地球イチバン」の見どころを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「やっぱり…僕たちとは“違う距離感”って部分でしょうか。例えば、160kmという距離。僕らの感覚だと、160kmなんて車でひと走りできちゃう、大した距離じゃない。けど、ある地域ではその160kmという距離は、命を懸けなきゃいけない程の遠さなんです。それだけ離れてると、それはもう親には会えないかもしれない、という距離なんです。