俳優の役所広司が主演を務める、映画『八犬伝』(2024年10月公開)のキャストが18日、明らかになった。○■映画『八犬伝』八犬士キャスト明らかに主演の役所が滝沢馬琴を演じ『八犬伝』の物語を書き上げた作家の姿を見せるが、今回はその馬琴が描く『八犬伝』パートのキャストが明らかに。天に飛び去った八つの珠に引き寄せられた八犬士として、犬塚信乃を渡邊圭祐、犬川壮助を鈴木仁、犬坂毛野を板垣李光人、犬飼現八を水上恒司、犬村大角を松岡広大、犬田小文吾を佳久創、犬江親兵衛を藤岡真威人、犬山道節を上杉柊平が演じる。そして里見家を怨み、その怨念で里見家を祟る八犬士の最大の敵である玉梓として栗山千明の出演も決定した。公開された特報は、筆を握る馬琴に「あんた、何で戯作を書いているんだ?」と盟友・北斎(内野聖陽)が尋ねるセリフから始まり、運命に翻弄される八犬士の戦いをダイナミックな映像で捉えた八犬伝【虚】の世界と、その物語を生み出した馬琴の創作の神髄に迫る【実】の2つの世界の映像が交錯、「どうしてもやり切らねばならぬことがあるんだ」と生涯をかけて「八犬伝」を書き上げることに執念をにじませる馬琴のセリフで幕を閉じる。さらに馬琴が思い描く世界で八犬士がエネルギッシュに躍動するティザービジュアル、馬琴と北斎、八犬士の場面写真も併せて解禁となった。【編集部MEMO】同作は日本ファンタジー小説の原点『南総里見八犬伝』をもとにした、山田風太郎氏の小説『八犬伝 上・下』(角川文庫刊)の実写化作。里見家にかけられた呪いを解くため、運命に引き寄せられる若き8人の剣士たちの戦いをダイナミックに描く《虚》パートと、180話に及ぶ物語を悩み苦しみながら28年もの歳月をかけて書き上げた作家 滝沢馬琴の創作の真髄、そこで生まれた奇跡の実話を描いた《実》パートがシンクロする物語となる。(C)2024『八犬伝』FILM PARTNERS.
2024年04月18日役所広司主演で山田風太郎の同名小説(角川文庫刊)を映画化したエンターテインメント超大作『八犬伝』から、初公開となる特報とティザービジュアル、場面写真とともに新キャスト9名が一挙解禁された。里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をダイナミックなVFXで描く「八犬伝」=虚構の世界。そして、作家・滝沢馬琴(役所広司)と挿絵を頼まれた浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)の奇妙な友情を通じて“創作”の真髄に迫る実話の世界。【虚】と【実】がシンクロしながら描かれる本作。失明しながらも28年の歳月をかけて「八犬伝」を書き上げた馬琴の物語を生み出す苦悩と葛藤、執念が生んだ世界をかつてないスケールで描かれる。この度、新キャストとして「八犬伝」の物語で里見家にかけられた呪いを解くため引き寄せられる八犬士に、いま大注目の最旬キャスト8名が決定。犬塚信乃(いぬづか しの)を『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』の一人二役などで注目を集め、大河ドラマ「光る君へ」にも出演する渡邊圭祐。犬川荘助(いぬかわ そうすけ)を『からかい上手の高木さん』の公開が控える注目俳優の鈴木仁。犬坂毛野(いぬさか けの)を『陰陽師0』『ブルーピリオド』など話題作に引っ張りだこの板垣李光人。犬飼現八(いぬかい げんぱち)を大ヒット映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司。犬村大角(いぬむら だいかく)を『沈黙の艦隊』をはじめ、映画・舞台・ドラマと幅広く活躍する松岡広大。犬田小文吾(いぬた こぶんご)をNetflixシリーズ「サンクチュアリ‐聖域‐」や「王様戦隊キングオージャー」で人気上昇中の佳久創。犬江親兵衛(いぬえ しんべえ)を舞台「西遊記」や4月期シン・時代劇「君とゆきて咲く」など注目作品への出演が続く藤岡真威人。犬山道節(いぬやま どうせつ)をNetflixシリーズ「幽☆遊☆白書」など人気作に欠かせない存在の上杉柊平が演じる。そして里見家を怨み、その怨念で里見家を祟る八犬士の最大の敵である玉梓(たまずさ)に、ドラマ「大奥」でも強い存在感を放った栗山千明が出演する。また、解禁となった特報は【虚】と【実】、2つの世界がシンクロする迫力の映像。筆を握る馬琴に「あんた、何で戯作を書いているんだ?」と盟友・北斎が尋ねるセリフから始まり、運命に翻弄される八犬士の戦いをダイナミックな映像で捉えた八犬伝【虚】の世界と、その物語を生み出した馬琴の創作の神髄に迫る【実】の2つの世界が交錯する。そして「どうしてもやり切らねばならぬことがあるんだ」と生涯をかけて「八犬伝」を書き上げることに執念をにじませる馬琴のセリフで幕を閉じる。なぜ馬琴は、「八犬伝」に生涯を捧げたのか。馬琴の創作の裏に隠された真実と奇跡の実話、そしてかつてないスケールで描かれる八犬士の壮大な戦いに期待が高まる映像となっている。さらに馬琴が思い描く世界で八犬士がエネルギッシュに躍動するティザービジュアル、馬琴と北斎、八犬士の場面写真も併せて解禁されている。『八犬伝』は10月、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:八犬伝 2024年10月、全国にて公開予定©2024『八犬伝』FILM PARTNERS.
2024年04月18日俳優の役所広司が、映画『八犬伝』(2024年10月公開)の主演を務めることが15日、明らかになった。同作は日本ファンタジー小説の原点『南総里見八犬伝』をもとにした、山田風太郎氏の小説『八犬伝 上・下』(角川文庫刊)の実写化作。里見家にかけられた呪いを解くため、運命に引き寄せられる若き8人の剣士たちの戦いをダイナミックに描く《虚》パートと、180話に及ぶ物語を悩み苦しみながら28年もの歳月をかけて書き上げた作家 滝沢馬琴の創作の真髄、そこで生まれた奇跡の実話を描いた《実》パートがシンクロする物語となる。役所は主人公の滝沢馬琴を演じ、失明しながらも28年の歳月をかけて『八犬伝』の物語を書き上げた作家の姿を見せる。内野聖陽が、馬琴を見守り続ける親友の絵師・葛飾北斎を演じる。さらに《虚》パートで八犬士の運命を握る伏姫を土屋太鳳、馬琴の息子・宗伯を磯村勇斗、宗伯の妻・お路を黒木華、馬琴の妻・お百を寺島しのぶが演じ、監督は『ピンポン』や『鋼の錬金術師』シリーズの曽利文彦監督が務める。○■役所広司 コメント28年掛けて書き上げた『南総里見八犬伝』。成し遂げられたのは、親友、葛飾北斎と家族たちの献身的な支えがあった。読本作家 滝沢馬琴の几帳面な生活と彼が生み出す絢爛豪華な活劇。果たして馬琴にとってどちらが《虚》で、どちらが《実》なのか?映画館でお楽しみ下さい。○■内野聖陽 コメント北斎は晩年、多くの物語から触発され絵を描き、そして馬琴は、北斎の絵に触発され、筆を走らせた。ジャンルの違う芸術家同士が、インスピレーションを与え合っていたなんて素晴らしいことです。馬琴が創作活動で悶え苦しむほど、《虚》の世界の八犬士たちの華やかでケレンのある世界が輝きを増す。それは、まるで『鬼滅の刃』の世界。北斎はそんな馬琴を面白がりながらも一番の理解者として愛情深く見つめ、時には喧嘩も罵り合いもする存在。そんな二人の関係は人間らしくて、オモシロく、お互いにとってなくてはならない存在であったことが感じられます。馬琴が北斎との友情の中で育て上げた『八犬伝』。家族を抱え、ままならない現実に悶えながらも、華やかで正義感に満ちた作品を描いていく様は本当に見応え十分です! 劇場の大きなスクリーンで、この迫力ある世界を楽しんで頂けたらと思います!○■土屋太鳳 コメント伏姫は、子どもの頃からの憧れの存在。その魅力は語り尽くせないけれど、私が思う一番の魅力は、包容力です。一見“自己犠牲”に見えながら、実は誰よりも能動的に物語を牽引し、守るべきものを守り通す。憧れます。現代の技術があってこそ実現できる「伝説のリアル感」が、《虚》パートの大きな魅力ではないかと思います。夢中で本を読んでいると、頭の中に物語の世界が縦横無尽に広がりますが、その感覚と同じ興奮を覚えました。とても新鮮だと感じる一方で、不思議な現実味があるように感じました。人には「起きている時」と「眠っている時」がありますが、その両方を意識が行き来しながら生活している感覚に、少し似ているのかもしれません。伏姫が取り組んだ使命は、現代においても、大切な課題だと思います。見失ってはいけないものを、人は簡単に見失ってしまう。なぜなのか、そして、どうすれば取り戻せるのか…伏姫の祈りを、どうか受け取って下さい。○■磯村勇斗 コメント宗伯は父・馬琴に確固たる忠誠心と敬意を持った息子です。今回、そんな息子役で役所さんと初めて共演させていただき、父・馬琴として、俳優として、大きな背中を近くで見ることができ、とても実りある撮影時間を過ごすことができました。「八犬伝」をご存知の方もそうではない方も楽しめる作品で、《実》パートと《虚》パートそれぞれの物語がクロスしていく描き方は必見です。ぜひ劇場でご覧頂けたら嬉しいです。○■黒木華 コメントお路は “表に出さない強さ”を秘めた女性だと思います。何があっても静かに耐えて感情を出さなかったお路が皆の想いを受け、「この物語は絶対に残さねばならない」と馬琴と共に「八犬伝」を完成させようとしていく姿には強い意志を感じました。多くの作品を拝見させていただき、いつかご一緒したいと願っていた役所さんとの共演は光栄でした。馬琴の悔しさや、目が見えなくなっていく過程のお芝居も圧巻でした。“現実”と”物語”を行き来する今作を、是非楽しんでもらえると嬉しいです。○■寺島しのぶ コメントお百は役所さん演じる馬琴に、ひたすら怒鳴りつけて気持ちをぶつける役で台詞も早く巻くしたてないといけなかったので苦労しましたが、久々の共演となる同期生の内野くんもいたので安心してお芝居ができました。「八犬伝」のスペクタキュラーな《虚》の世界と私たちの《実》のパートがどうリンクしていくのか、楽しみにしていて下さい。○■曽利文彦監督 コメント「日本が世界に誇る役所広司さんに馬琴を演じてもらいたい!」 すべてはこの想いからスタートしました。「そして北斎は、これまた日本を代表する俳優の内野聖陽さんに!」 このお二人の夢の共演が叶ったときの監督としての喜びは、言葉にできるものではありません。『八犬伝』は、その作品と生きざまにおいて“正義”を貫いた一人の作家の物語です。複雑多様化した現代社会を頑張って生き抜いているからこそ、このシンプルな“正義”が深く心に突き刺さります。虚実入り乱れる大胆な構成と、『八犬伝』ファンの皆さんは現在の最新映像技術で蘇る新しい『八犬伝』の姿を、そして日本の漫画やアニメが大好きな皆さんはその原点の物語をぜひ楽しんでください!(C)2024『八犬伝』FILM PARTNERS.
2024年03月15日現在公開中の映画『PERFECT DAYS』で主演を務めた役所広司のロングインタビュー映像が公開された。『PERFECT DAYS』は、『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などで知られるヴィム・ヴェンダース監督の最新作で、役所演じる清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡ぐ。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したことを皮切りに、第50回テルライド映画祭、第48回トロント国際映画祭、第71回サンセバスチャン映画祭、第60回台北金馬映画祭と名だたる映画祭に招待されるなど話題を集めている。「映画ってやっぱ自由な発想ですべきだなと思いますね」とリラックスした表情で語る役所は、映画に対して同じ展開ではなく、また同じ絵でもない「見たことがないものがみたい」と明かす。主人公の平山は、前半ほとんどセリフがなく、朝起きて、身支度をし、仕事であるトイレへ清掃に向かう。そんなルーティンが淡々と描かれ、ナレーションもない。そんな展開に役所は「人生は誰も、何も説明的でもないし、伏線もない。何が起こるかわかんない」というところに惹きつけられるという。わかりやすい起承転結がない映画について「こういう映画は50年後、100年後に見られても、古くならない映画を目指してるんじゃないかなと思う」と語り、映画監督・小津安二郎の映画を例に出し、「何が面白いんだろうと思っていた」と明かすも「自分が年取ってきたり、家族ができたりなんかそういうことによってなんか全然やっぱり深みがある映画だってことに初めてこう気がつくし、もっと年取るともっと面白くなるかもしれない。やっぱできればそういう映画に出たいですよね」と『PERFECT DAYS』もそうあってほしいと語った。『PERFECT DAYS』役所広司 ロングインタビュー映像<作品情報>『PERFECT DAYS』公開中『PERFECT DAYS』ポスタービジュアル公式サイト: MASTER MIND Ltd.
2023年12月30日名匠ヴィム・ヴェンダースが長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎えて贈る『PERFECT DAYS』。第96回アカデミー賞国際長編映画賞・日本代表に選出され、見事ショートリストに選出、本選ノミネートへの期待も高まる本作から、主演を務めた役所さんのロング・インタビューが解禁となった。トイレ清掃員の“平山”という男を演じ、カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所さん。撮影を終えほっとした表情の役所さんが、『PERFECT DAYS』について、主人公・平山について、そして絶賛された演技について率直に語った。「映画ってやっぱ自由な発想ですべきだなと思いますね」と、リラックスした表情で語る役所さんは、映画に対して同じ展開ではなく、また同じ絵でもない「見たことがないものがみたい」と明かす。『PERFECT DAYS』はヴェンダースのこだわりが詰まった、フィクションでありながらドキュメンタリーのような作品。役所さんにとってはいままで経験した作品とは異なる体験になったよう。また、役所さんが演じた主人公・平山は前半ほとんどセリフがなく、朝起きて、身支度をし、仕事であるトイレへ清掃に向かう。そんなルーティンが淡々と描かれ、ナレーションもない。そんな展開に役所さんは「人生は誰も、何も説明的でもないし、伏線もない。何が起こるかわかんない」というところに惹きつけられるという。「こういう映画は50年後、100年後に見られても、古くならない映画を目指してるんじゃないかなと思う」と語り、小津映画を例に出しながら「自分が年取ってきたり、家族ができたりなんかそういうことによってなんか全然やっぱり深みがある映画だってことに初めてこう気がつくしもっと年取るともっと面白くなるかもしれない。やっぱできればそういう映画に出たいですよね」と『PERFECT DAYS』もそうあってほしいとの願いを込めて語った。「自分と平山は似ていない」と言い、監督の“Who is Hirayama”というメモ(平山がなぜ今の生活に至ったか、その精神のプロセスが書かれている)を手がかりに、平山を演じきった役所さん。「あれだけこう同じ繰り返しを見せられても、やっぱりそこにはこう生きた人間がね、人間とか生きた植物が動いている映画っていうのは結構持つんだなって」と語っている。『PERFECT DAYS』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年12月30日年の瀬の12月22日(金) に、今年のベストワンと言いたい作品が公開される。役所広司がカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』。監督・脚本はドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースだが、舞台は東京、全編セリフは日本語。役所が演じるのは、渋谷の公衆トイレ清掃を仕事とする初老の男性、平山さんだ。この名前にピンと来る人は映画ツウ。小津安二郎監督が『東京物語』『秋刀魚の味』などの名作で使った役名。小津を敬愛するヴェンダースの洒落たオマージュであり、作品も、日本的メンタリティあふれるしみじみとした内容。新しい1年を迎えるこの時期にふさわしい映画だ。『PERFECT DAYS』今、渋谷区には、世界的な建築家がデザインしたおしゃれでユニバーサルな公衆トイレが17個ある。日本の“おもてなし”文化を形にしようと、株式会社ファーストリテイリングの柳井康治取締役が発案し資金提供にも協力して始まったプロジェクト「THE TOKYO TOILET」(TTT)が手掛けたものだ。このプロジェクトの一環として製作されたのが本作。依頼されたヴェンダースは、来日して実際のものをみて刺激され、発想が広がり、トイレはでてくるが、トイレの物語ではないフィクションで、東京の今を撮ろうと考えた。ヴィム・ヴェンダース監督 (C)Peter Lindbergh2015それから共同脚本・プロデュース担当の高崎卓馬とふたりで、平山と名付けられた主人公を実在の人物のように創造していった。「フィクションの存在をドキュメントのように追う」というのが制作コンセプトだ。映画は、そんな平山の、ある朝から始まる。夜明け前。東京スカイツリーがみえる、押上あたりの古いアパート。道路を掃く竹ぼうきの音で、平山は目覚める。いつも同じ時間だ。少しの間天井を見つめ、ゆっくりと起き上がる。せんべい布団を畳み、顔と口を洗い、作業服に着替え、大事にしている植物に水をやり、玄関脇の定位置に置かれたガラケーなどをポケットに入れると、表にでる。自販機で買った缶コーヒーを手に、作業用の軽自動車に乗り込み、何本か用意しているカセットテープから、ジ・アニマルズの『朝日のあたる家』をこの日は選んでカーステレオにセット、聴きながら仕事場のある渋谷へ高速を走る……。淡々と、ひとつひとつ丁寧に、平山の日常が描かれていく。どんな風にトイレ掃除をするのか、お昼はどこでとるのか。いつ帰り、夜床に着くまでどんな風に過ごすのか。休日はどうするのか。言葉数の少ない平山の行動と表情から、彼の生活スタイルを私たちは知ることになる。それは、彼なりの豊かな暮らしぶりだ。仕事のあとは銭湯で一番風呂に入る。浅草のいつも行く地下の飲み屋には「おかえり」とチューハイで親父が迎えてくれるし、家へ帰ったら、じっくり厳選して買った1冊100円の文庫本が待っている。多くはないが、好きなミュージックだけを集めたカセットテープの棚もある。休日に素敵なママさん(演じているのは石川さゆり、サービスで歌も歌ってくれる)の小料理屋で飲むこともあるし、フィルムカメラで、神社の“木漏れ日”を撮ってプリントし、ブリキの缶にコレクションしていたりする。1日1日、平山にとっては同じ景色はない。トイレ清掃の若い同僚(柄本時生)にたずねられても、彼は自分のことを語りたがらない。飲み屋でもにこやかに飲んでいるだけ。疎遠だった妹(麻生祐未)とその娘ニコ(中野有紗)の登場で、平山の過去が見え隠れするが、やはり実情はわからない。平山の生き方を、さまざまに解釈できるところが面白い。なぜ、この仕事をするようになったのか? 人とのつきあいが苦手なのか? そもそもひとりでいることが好きなのか? 映画をみているあいだ、いくつもの ? が頭に浮かぶ。毎日ある程度のルーティンワークをきちんとこなしている人なら、手を抜かず、自分に恥じるようなことはしない平山の仕事や生活ぶりに、共通点を多く見るかもしれない。朝の光、木漏れ日、夕暮、川面をわたる風…好きなものだけに囲まれたミニマルな暮らし。こんな風に生きていくのも悪くないな、と思う人もいるだろう。それにしても、TTTのトイレは斬新だ。槇文彦、隈研吾、安藤忠雄、伊東豊雄といった超有名建築家などの設計。なかでも坂茂のデザインは変わっている。それらの未来的な建造物(といってもトイレだが)、渋谷の喧騒、緑に囲まれた神社、通勤途上で見る交錯した高速道路、平山の住む下町、すべてが東京の現代の風景だ。ヴィム・ヴェンダースはカンヌ国際映画祭の記者会見で「東京で撮影して小津を感じないことはない。小津の死の60年後に東京で撮影するのは特別な体験だった。細部に目を向けて日本社会の変化を描いた小津を引き継いだ」と語っている。小さなエピソードにこめられたユーモア、音楽の選曲の妙、こだわった小道具、意外な役者の登場、平山の読んでいる文庫本の書名とか、ディテールに映画的愉しみをみいだすことができる。そんなあれこれへの気の配り方にも、小津の影響を感じる。これは、ヴェンダースによる21世紀の『東京物語』だと思う。文=坂口英明(ぴあ編集部)(C)2023 MASTER MIND Ltd.【ぴあ水先案内から】笠井信輔さん(フリーアナウンサー)「……微妙な佇まいを役所広司が見事に体現している……」笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()中川右介さん(作家、編集者)「……この映画では、何も起きないことが、パーフェクトな一日なのだ……」中川右介さんの水先案内をもっと見る()真魚八重子さん(映画評論家)「……わたしたちはこんなに日常を愛おしんで過ごしているだろうか……」真魚八重子さんの水先案内をもっと見る()
2023年12月18日映画『窓ぎわのトットちゃん』(12月8日公開)の公開初日舞台挨拶が8日に都内で行われ、大野りりあな、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司、八鍬新之介監督が登場した。同作は黒柳徹子の自伝的小説のアニメ映画化作。原作は1981年に出版されると日本累計発行部数800万部を突破、20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2,500万部を突破した世界的ベストセラーとなった。何事にも好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃん(=黒柳)は、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまい、東京の自由が丘に実在したトモエ学園に転校する。子どもの自主性を重んじる教育を掲げたトモエ学園でのトットちゃんの日々を描いていく。○■映画『窓ぎわのトットちゃん』主人公の声を務めた大野りりあな主人公・トットちゃんの声を務めた大野は、今回改めて共演者と会い「皆さん、すごく優しくてかっこよくて美人で、特に小林先生にはアニメの中だとトットちゃんの頭を撫でながら『君は本当はいい子なんだよ』と言ってたから、現実で役所広司さんにやってもらえたらいいなって思います」と、小林先生役の役所におねだり。さっそく役所が頭を撫でると「夢が叶いました」と喜んだ。また、この日欠席の黒柳から手紙で「大野りりあな様。トットちゃんの声をやってくださってありがとう。あなたの声のほうが、本当の私よりかわいかったのね。ありがとう。あなたといろんなお話ができてうれしかったわ。またお会いしましょうね。元気でね」とメッセージも。ずっと原作が好きだったという大野は「本当にずっと5歳の時から憧れだった徹子さんのちっちゃい頃の声ができて本当に幸せです……」と声を詰まらせ涙する。「すいません」と謝りつつ、「私も将来、徹子さんみたいに世界を変えられるような素敵な女優さんになりたいなって思います」と決意を新たにした。最後には、大野が「『窓ぎわのトットちゃん』の本を書いてくれた徹子さん、そしてこの映画を作ってくれた監督さんやスタッフの皆さん、いつもサポートしてくれていた事務所のマネージャーさんたち、ずっと応援してくれていた家族や大好きなお兄ちゃんや習い事の先生、学校の先生たち、本当に感謝しています。そして今来てくれている皆さんにも本当に本当に感謝しています。ずっとこれからも大好きです。ありがとうございます」と挨拶。役所は「アカデミー賞の受賞式のような。本当にこの子は上手ですよね」と感心する。役所は「監督からお手紙をいただいた時から、世界で紛争とか戦争というものはなくなってなかったんですけど、『窓ぎわのトットちゃん』公開にあてて、さらに世界中がひどい状態になって。ニュースで子供たちが傷つけられてる映像を見ると、本当に胸が痛くなります」と語る。「そういう意味でこの窓際のトットちゃんが、今回公開されたということは、運命的な徹子さんの思いが伝わってるような気がします。教育者である先生たち、そして家族たち、その人たちがこの映画を見て、もう一回こう何かあの今のこの世界について話し合うきっかけになるようなたくさんの要素が詰まってる映画だと思います」と観客に語りかけた。
2023年12月08日「第36回東京国際映画祭」にて、『Ryuichi Sakamoto | Opus』のトークゲストに役所広司が登壇することが分かった。『Ryuichi Sakamoto | Opus』は、坂本龍一最後のピアノ・ソロ演奏を記録した長編コンサート映画。坂本さんが時間をかけて選曲し、ピアノ・ソロ・アレンジを施した全20曲で構成された静謐で美しいモノクロ作品となっており、坂本さん自身がアプルーブし、入念なポストプロダクションを経て完成させた。東京国際映画祭では、<Nippon Cinema Now部門>にて上映。10月24日(火)と30日(月)の2回、上映が予定されている中、24日のトークゲストとして、生前、坂本さんと親交があり、『PERFECT DAYS』(12月22日全国公開)でカンヌ国際映画祭 最優秀男優賞を受賞した役所さんが登壇する。チケットは、10月14日(土)10時より一般発売開始となる。▼第36回東京国際映画祭『Ryuichi Sakamoto | Opus』上映スケジュール・【10月24日(火)】21:20トーク、21:40上映開始予定会場:TOHOシネマズ日比谷スクリーン12*車椅子スペースありトークゲスト:役所広司一般 2,000円学生 1,600円*学生当日500円(上映当日0:00~)・【10月30日(月)】20:40上映開始会場:丸の内ピカデリースクリーン2*車椅子スペースあり一般 2,000円学生 1,600円*学生当日500円(上映当日0:00~)「第36回東京国際映画祭」は10月23日(月)~11月1日(水)日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。(シネマカフェ編集部)
2023年10月12日役所広司主演のヴィム・ヴェンダース監督最新作『PERFECT DAYS』より、日本版30秒予告編と日本版ポスタービジュアルが解禁された。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、公開へ向け大きな注目を集める本作。第36回東京国際映画祭では、オープニング作品としてアジアプレミアを予定しており、ヴィム・ヴェンダース監督も来日して、本映画祭の審査委員長を務める。フィクションの存在をドキュメントのように追い、ドキュメントとフィクションを極めた“ヴェンダースの最高傑作”と呼び声も高い。この度解禁されたビジュアルでは、主人公である公衆トイレの清掃員、平山(役所広司)が薄い布団に寝そべり、小さなあかりで文庫本を読んでいるシーンを使用。その上からは“木漏れ日”が平山を包み込むようにさし込み、『PERFECT DAYS』のタイトルが浮かび上がる。「こんなふうに生きていけたなら」というコピーが、平山という男への興味と想像をかきたてる。また30秒予告編では、メインビジュアルで描かれている平山が読書をしているシーンから始まり、いつものルーティーンをすませ、ドアを開けて空を見る様子が捉えられている。スカイツリーをみているのか、光をみているのかは分からない。「この世界は、ほんとはたくさんの世界がある。つながっているようにみえても、つながっていない世界がある」そんなナレーションを背に、平山はいくつもの風変わりなトイレを清掃してまわるのだった…。全編に流れているのはルー・リードの「PERFECT DAY」。心の静寂と平穏を感じる30秒予告となっている。また。ヴィム・ヴェンダース監督の来日を記念した特別先行上映が、10月24日(火)~30日(月)、TOHOシネマズ日比谷にて行われることも発表された。世界各国でもいよいよ待望の公開となる本作。作品賞そして最優秀俳優賞に役所さんがノミネートされたアジア太平洋映画祭の受賞の行方などにも、注目が集まりそうだ。『PERFECT DAYS』は12月22日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年10月04日俳優の役所広司と柳楽優弥、神木隆之介、女優の安藤サクラが出演する、サントリー食品インターナショナル・クラフトボスの新CM「意外な天職」編が、18日より放送される。CMは、とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズが、大物ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズそっくりの地球人になりすまし、さまざまな職業を転々としながら、未知なる惑星・地球を調査する「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」の最新作。役所扮する駐車場の誘導員が、職場の同僚(神木)から「友達や仕事など世界が広がるかも」とマッチングを勧められたことをきっかけに、映画のキャスティングに携わる女性(安藤)と出会う。役所は新人エキストラとして出演した柳楽主演の時代劇で頭角を現わし、数年後にはスタントもこなす役者へと成長。セスナ機の片翼に、体をハーネスとワイヤーでくくりつけられながら行う危険なスタントに挑み、監督から「本当にやるのか?」と尋ねられると、「役者ですから」と晴れやかな表情で答える。セスナの翼にしがみつくシーンの撮影では、なかなか体験できないアクションに役所も大興奮。轟音とともに吹きつける強風を全身で浴びながら、絶叫し続ける役所のコミカルな姿に、安藤も手を叩いて大笑いしていた。○■役所広司・安藤サクラ・柳楽優弥 インタビュー――撮影の感想をお聞かせください。役所:30秒の作品じゃあ、もったいないぐらいの豪華な俳優さんたちと共演できて、短い時間でしたが、本当に楽しかったです。安藤:役所さんは憧れの大先輩ですし、柳楽くんも同世代の中で憧れている存在なので、お二方と同じCM、1つの作品に出ることができてとても嬉しかったです。これをきっかけに、いつかお二人と映画でもご一緒したいですし、この短い1日の出会いが、私にとってすごく良かったなと思っています。柳楽:今回初めて役所さんと共演させていただいて、本当に光栄でした。刀で刺して、刺されてという3カットの中でも、監督にいろんなバリエーションをこだわって撮っていただけて、短いシーンですけど、いろいろお話しもできて、とても貴重な時間になりました。役所:サクラちゃんはもう、赤ちゃんの頃から知っているので、昔から知っているような気持ちになっちゃいますし、この業界で仕事を始める時から、女優さんとしての作品はずっと見ています。柳楽くんは年を重ねるごとに、どんどんいい俳優さんになっていきますよね。作品をやる度に、はじめましてという人は必ずいますが、これで一度は二人とご一緒したので、また次に会った時も楽しく仕事したいなと思います。――(海外の映画祭の)授賞式後のインタビューで、役所さんがおっしゃった「やっと柳楽くんに追いついたかな」というコメントを聞いて、気持ちはいかがでしたか?柳楽:そういうおめでたい場で、名前を呼んでいただけただけでとても光栄でしたし、僕は本当に役所さんの映画が好きでたくさん見ていたので、素直に「おめでとうございます」と、日本から勝手に祝福していました。役所:その時のことはこの機会にちゃんとお伝えしたくて。「柳楽くんにやっと追いつきました」と言ったところだけが出ていますが、その前に「柳楽くんも大人になって、素晴らしい役者になりました」という話をしていたんですよ。ただ、それはほとんどカットされているので、なんかオヤジがちょっと上から目線で嫌な感じだなというふうに思われているんじゃないかなと思って。すみません。柳楽:いえいえ、ありがとうございます(笑)。安藤:私は役所さんの授賞式を生で見ていて、もう誰よりも大きな声で「ブラボー!」って叫びまくって、大興奮していました。――マッチングから意外な天職が見つかるCMのストーリーにちなんで、意外な出会いや、やってみたら意外と良かった経験などがありましたらお聞かせください。安藤:私は結構、意外な出会いがちっちゃい時から好きだから、そういうのをチョイスしがちなんですよね。だから、やってみると自分のスタンダードになっていくことが意外に多くて。最近だと、うちの子が冷やし中華に、マヨネーズとケチャップとねりごまとポン酢と、あらゆる調味料を入れて作ったんですけど、これが意外とおいしかったんですよ。自分が意外だと思って組み合わせるよりも、人が作った意外な組み合わせの方が新鮮に感じるかもと思いました。柳楽:意外な出会いというと、味噌ですね。3年前ぐらいに、最初はノリで作り始めたんですけど、ずっとハマっていて、今でも半年か10ヶ月ぐらいのペースでマイ味噌を作っています。――役者としてさまざまな役柄を演じる中で、ご自身に向いているなと感じた経験や、意外にも上手にできたことで「もしかしたら天職?」と思った職業は?役所:天職かどうかはわからないですけど、一日中やっても飽きないのは植木屋さんかな。剪定が上手いとかではないんですけど、外で野良仕事をするのは好きです。最後に葉っぱで焚き火をしたり、焼き芋を焼いたり、一年中季節によって風景も変わりますしね。そういう意味では、才能はないかもしれないけど、植木屋さんだったら長続きするかなと思いました。安藤:料理をするのが好きなんですけど、レシピとか苦手で、目分量とか適当なんですよ。だけど、ファミレスの調理場でバイトしていた時があって、調味料の量とか全部決まっているじゃないですか。そこでマニュアル通りにやって、いかに早く料理を作っていくかというのは、普段自分ができないからこそ好きでしたね。向いているかどうかわからないですけど、いろいろなバイトをした中で、調理場が一番長かったかなと思います。柳楽:この前、おばあちゃんから「耳がちょっと凝ってるから、マッサージして」とお願いされて、やってみたら、すごくスッキリしたと言ってくれて。僕自身、マッサージを受けるのも好きなんですけど、マッサージをするのが得意かもしれないと思いました。○■神木隆之介 インタビュー――マッチングから意外な天職が見つかるCMのストーリーにちなんで、意外な出会いや、やってみたら意外と良かった経験などがありましたらお聞かせください。神木:テニスですかね。中学の時は卓球部に所属していたんですけど、なぜテニスをやることになったのかといいますと、卓球部の先輩に卓球をやっていた人はテニスができない、テニスをやっていた人は卓球が上手いと言われて。その先輩曰く、ネットの高さも、距離も何もかも違うし、特に卓球は打つ時に手首を捻る動きがある分、その感覚に慣れているとテニスはできないと。そんなことはないだろうと思って、逆にやってみたら、意外とコツをつかむのが早かったと思います。テニスをやっていた姉も「教えてあげるよ」と言ってくれて、最初こそうまくできませんでしたけど、徐々に来る玉を返せるようになって、「あっ、楽しい」と思いました。その時に、先輩はもう卒業していましたが、「先輩、卓球から入ったらテニスができないなんてことはないですよ」と。そんなことを思い出しながら、今でもたまにテニスをすることがあります。――役者としてさまざまな役柄を演じる中で、向いているなと感じた経験や意外にも上手にできたことで「もしかしたら天職?」と思った職業は?神木:いろいろな役を経験させていただきましたが、その役の先生や、実際にその職に就いている方から習うこと、覚えることが多くて、すべてが難しかったですし、どれもゼロから始めるのは難しいなと思うので、今まで演じた役の中から天職は見つけられないなと思います。ただ、弊社の売り物の魅力を、どういうふうに先方へ伝えたら契約していただけるのかということを考えるのは好きなので、もしかしたら営業系は得意分野かもしれません。今後やってみたいですね。――職業としてやってみたいものは?神木:イヤホンやヘッドホンが大好きなので、それで音楽を聴いた感想のブログを書く仕事をしてみたいです。他に自分が得意と言えるものって、実はあまりなくて。中学の時にギターを弾いたり、ドラムを教えてもらったり、それこそテニスもそうですが、長続きしたことがないんですよ。唯一お琴だけは3年間授業で習って、文化祭で披露したこともあります。――読書の秋、運動の秋などさまざまな定番の秋がありますが、今年はどんな秋にしたいですか?神木:本当に両極端ですけど、2つやりたいことがあります。1つはゲームの秋。大好きなオンラインゲームをずっとやり続けたいと思う一方、秋といえば紅葉がきれいじゃないですか。観光地に行けば、色とりどりの、その時にしか見られない色や光景があるので、いろいろなところを巡って、ちょっと冷たい、冬が近づいてきたなという風を浴びて季節を感じながら、大好きな写真を撮りたいという気持ちもあります。○■トミー・リー・ジョーンズ インタビュー――ジョーンズさんが憧れていた職業は?ジョーンズ:私はテキサス育ちなので、子どもの時からずっとカウボーイに憧れていました。それ以外では、油絵を描けたらいいなと思うので、そのためにもっと美術のことを勉強しておけば良かったという後悔が少しだけあります。ちなみに、皆さんはカウボーイというと、映画に出てくるカウボーイをイメージするかもしれませんが、本当のカウボーイとは牛を育てる人、家畜を育てる人のことなので、ちょっと違うんですよ(笑)。――これまでの来日で滞在・体験した日本の印象的な場所や食べ物は?ジョーンズ:今までいろんなところを訪れましたが、特に奈良、京都、北海道、沖縄、金沢で感じた日本の美しさは印象に残っています。食べ物に関しては、今回の撮影前日に食べた鮎がおいしかったですね。
2023年09月14日俳優の役所広司と女優の杉咲花が出演する、サントリー食品インターナショナル・ボスの新CM「いつもの自販機」編が、9月1日より放送される。○■「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」最新CM新CMは、とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズが、大物ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズそっくりの地球人になりすまし、さまざまな職業を転々としながら、未知なる惑星・地球を調査する「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」の最新作。CM楽曲にはあいみょんの大ヒット曲「裸の心」が採用されている。役所と杉咲は水道修理作業員役で登場し、ひと仕事終えた後に立ち寄った行きつけの休憩スポットの自動販売機がなくなっていることに気づく。役所が「あいつも、仕事仲間だったんだな……」と感慨にふけっていると、杉咲から「帰ってきましたよ」と声をかけられ、我に返る。修理に出されていた自販機で同商品を買って飲むと、「おかえり」と嬉しそうに声をかけ、次の現場に向かっていく。自らのミスで水栓から大量に水が噴き出るシーンの撮影では、事前のリハーサルの様子をを見て「これはずいぶん濡れそうですね」と笑みを浮かべていた役所。水を浴びるシーンが楽しかったようで、カットが掛かった途端、無邪気な笑顔をカメラに向けてアピールし、杉咲や、仕事先の家主役で出演していた森末慎二、スタッフから大きな拍手が起こった。一方、車を運転するシーンにテンションが上がったという杉咲。免許を取ってから初めての運転シーンだったそうで、ハンドルを握りながら「とてもワクワクしていました」と振り返った。
2023年08月31日役所広司が第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した、ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』が12月22日(金)より公開されることが決定した。『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々の傑作を世に送り出し続けてきた名匠ヴィム・ヴェンダースが、長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた本作。日本の公共トイレのなかにsmall sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)を見出し、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡いだ。全国公開のメイン館となるTOHOシネマズ シャンテは、1988年にヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』が30週にもわたるロングラン上映で大ヒットを記録した記念すべき映画館。10月23日(月)より開催される第36回東京国際映画祭の審査委員長としてヴィム・ヴェンダース監督が来日することが決定しており、それに併せて、10月24日(火)より特別先行上映も行われる予定だ。『PERFECT DAYS』は12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国。(シネマカフェ編集部)■関連作品:PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年08月30日堺雅人が特殊部隊“別班”のメンバーを演じる「VIVANT」の5話が8月13日に放送。主要キャストながら1話以降出番のなかった役所広司の役どころがついに判明し、「すごい展開」や「全て繋がった」など興奮の声が上がっている。完全オリジナルストーリーである本作は、商社に務めながら別班に所属する主人公がテロ組織“テント”の謎に迫っていく物語。主人公の乃木を堺雅人、別班メンバー・黒須を松坂桃李、乃木と共同戦線を張っていた公安の野崎を阿部寛、バルカで乃木を助けた医師・薫を二階堂ふみが演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。乃木(堺雅人)の正体が、国内外で民間人に紛れて諜報活動を行う特殊部隊“別班”であることが判明する。乃木は誤送金事件の黒幕でテロ組織“テント”のモニターである山本(迫田孝也)を別班の黒須(松坂桃李)とともに排除。一方、野崎(阿部寛)は山本の死に違和感を抱き、自分たち公安以外に唯一山本の正体を知っていた乃木に疑惑の目を向ける。野崎が徹底的に乃木を調べると、これまで見てきた出来事からも全く別の事実が浮かび上がり――というのが5話の展開。バルカに向かった野崎は、かつて敵として対峙したチンギス(Barslkhagva Batbold)とテントの捜査のため協力することに。かつての敵が手を結ぶ展開に、SNSでは「チンギスさんと野崎さんのタッグ組んだキターーー」「チンギスが今度は『味方』として出てきてくれて、スゴく嬉しかったです!!」「優秀な敵対者が味方になったときの興奮は他にないエンターテインメントですね!」など喜びの声が上がっている。その後、乃木と黒須がアリ(山中崇)からテントのリーダーの正体を聞き出し、リーダーはノゴーン・ベキ(役所広司)という男だと判明。そして、彼が乃木の父親(林遣都)の現在の姿だとわかると「林遣都さんが、役所さんに変貌したということですか?!?!」「乃木さんの生い立ちから、全てが繋がりました」「今日も凄い展開だった」など驚きと興奮の声が上がっている。役所広司を「お父さん」と呼ぶ二宮和也の役どころはまだ公式サイトに反映されておらず、今後の展開にも期待が高まる。【第6話あらすじ】“テント”のリーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司)が、幼い頃に生き別れた父だと確信し愕然とする乃木(堺雅人)。一方、乃木の過去を追っていた野崎(阿部寛)も、乃木家の家紋とテントの犯行現場に残されたマークの類似に気付き、乃木とテントの関係にたどり着く。さらにFの秘密も判明。ついにジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)の手術も行われ――。「VIVANT」は毎週日曜21時~TBS系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月14日俳優の役所広司が7月5日(水) 、東京・丸の内の日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席し、福島第一原発事故を題材にしたNetflixシリーズ『THE DAYS』について語った。入念なリサーチに基づき、「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、原発所内で事故に対峙する者たちという、異なる3つの視点から克明にとらえた全8話。主演の役所は、福島第一原発の吉田昌郎所長を演じている。役所は「生々しい記憶が残る中、ドラマ化して大丈夫だろうか不安もあったが、現場では『演じ過ぎない、エンターテインメントし過ぎない』ということを、みんなで心がけていた」と振り返り、「世界が混乱する中で、エネルギーは国民が結論を出さないといけない問題。ドラマを通して、もう1回考えてもらえれば」と作品の意義を強調した。また、Netflixでの世界配信については、「内容的に、地上波では100%企画は通らないと思います」と断言し、「このドラマを伝えるのは、配信が一番自由度は高いし、思ったものを表現できると思う。表現の場は、非常に広がった」とその可能性にさらなる期待を寄せた。会見に同席した増本淳プロデューサーは、「事故から12年が経ち、忘れかけている人や、当時は幼くて、はっきりと記憶がない若い世代も増えている。ぜひ、思い出してほしい、知ってほしいという思いで、果たすべき役割を考えた」と本作を手がけた理由を説明。「まだ、事故は収束していない」と強調し、「感情の押し付けをしないように心がけた。関心を持ってもらい、議論を活発にしてもらえれば」とアピールした。フジテレビを退社し、本作をNetflixシリーズとして製作。「世界配信されるので、なぜ、日本人である自分が、これを作らなければいけないのか、意味や伝えるべきメッセージは何なのか。今まで以上に真剣に考えるようになりました」といい、「こういう事故を起こしてしまった責任に、最後まで向き合いたいんだというメッセージを伝えたい」と熱弁した。取材・文・撮影:内田涼<作品情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』(全8話)Netflixで独占配信中詳細はこちら:
2023年07月06日役所広司が、Netflixのオリジナルドラマシリーズ『THE DAYS』で主演を務めている。本作は、2011年に起こった福島第一原発の事故と、そこにいた人々の物語を可能な限り忠実に描いた作品だが、役所は本作を“過去の再現”ではなく、“未来につながる作品”だと考えているようだ。2011年の3月11日に起こった大地震と津波によって東日本一帯は甚大な被害を受け、福島第一原発は全電源を喪失し、全6基ある原子炉のうち、4基が制御不能になってしまう。あの日、あの場所にいた人たちは何を目撃し、何に立ち向かったのか?役所は発電所の所長・吉田を演じた。本作は、数々のヒット作を手がけてきた増本淳プロデューサーが自ら企画し、脚本も執筆した渾身のプロジェクトだ。出演のオファーを受けた役所は、「あれだけの数の方が暮らしている場所で、あれだけの事故が起こり、怪我をされた方も亡くなられた方もいて、福島の方の中にはふるさとを失ってしまった方たちがいる。そんな中でこの物語をドラマにして本当に大丈夫なのだろうか?という不安はありました」と振り返る。「でも、プロデューサーの増本さんから“いつ収束するのか分からない規模の事故で、自分は廃炉に向かっていく福島第一原子力発電所を見ていきたい。あの発電所の中であの日、一体どんなことが起こっていたのかは誰も知らないんです。だからこそ、それを知ってもらいたい。ドラマだから観ている方に最後まで観てもらえるような作りにはするけど、あそこで何があったのかを実際に近い形でやりたい”という想いを伺って、これは本当にいい企画だと思いました」あの日、大きな揺れが福島第一原発を襲い、役所演じる吉田所長は状況を把握できないまま、事態の解決にあたることになる。免震重要棟と呼ばれる施設に対策本部が設けられ、吉田所長は原子炉を操作する中央制御室の所員たち、東京にある電力会社の本社の人々、さらには官邸とやりとりを続けながら、必死に事態の沈静化を図ろうとする。しかし、電気の落ちた暗闇の中で頼りの計器類は機能を失い、次から次へと予想もしていなかった事態が発生する。誰もがみな混乱し、目に見えない放射能に恐怖を感じ、“何が起こっているのか正確に把握できない”状況に放り込まれる。それでも吉田所長は冷静に振る舞おうとするのだ。「役者って緊迫した状況の演技になると、ついつい緊迫感を上塗りしたくなるんです(笑)。でも、緊張感のようなものは作品の演出によって表現できるだろうから、僕としては俳優の驚いた表情を見せるよりも、平静を装っている姿を見せる方が、恐怖と向き合っている感じが出るのではないかと思いました」役所の演技が素晴らしいのは、そんな平静を装う吉田所長から本当の感情や混乱が“漏れ出てしまう”瞬間を見事に表現していることだ。観客は、彼の混乱や恐怖と、その内面を周囲に見せまいとする“二重の姿”を見続けることになる。しかし、ふとした瞬間、我々は彼の“漏れ出てしまった感情”を一瞬、目撃することになるのだ。「所長たちがいる免震重要棟は、中央制御室とはまた違った緊張感があるのですが、最前線である中央制御室にいる所員たちは本当に怖かったと思います。しかし、所長はそこにいる部下たちに指示を出して、作業をやらせなければならない。最後には自分も部下と共に死ぬ覚悟がなければ、あのような役割はできないのではないかと思いました。それに中央制御室から免震重要棟にかかってくる電話というのは、吉田所長にしか聞こえてないわけです。だから(あの日、中央制御室にいた当直長を演じた)竹野内くんと実際にどういうやりとりをしているのか、周囲の人間は気を張って見ているし、所長としては“まだ可能性はある。まだ努力するんだ”という顔をするわけですけど……ついに感情が出てしまう瞬間はあったと思います」事故によって起きた混乱状態、その怖さを表現するべきだと思った中央制御室から次々に状況の悪化が知らされ、本社からは早く事態を打開しろと迫られる。ここでもし判断を間違えれば、原発の爆発や放射能による未曾有の被害を世界にもたらしてしまうことになる。あの日、所長が抱えていたプレッシャーがどのようなものだったのか、正確に理解できる人間はおそらくいないだろう。「放射能の線量に関しては知識としては持っていたと思います。でも実際には放射能には匂いがあるわけではないですし、目にできるものは(線量の)数字だけです。もちろん、ここで何か起こってしまえば、被害は原発の中だけでは済まされないわけで、その重責というものは背負っても背負いきれるものではない。だからこそ吉田所長は、目の前の部下たちの無事を祈っていたのではないでしょうか。部下をひとりも死なせたくないという気持ちを誰よりも持っていたと思いますし、それでも彼らを事故の対応に向かわせなければならない。それはすごいストレスだったと思います」役所が語るとおり、本作で描かれる吉田所長は常に複数の感情が幾重にも重なり、所員を守りたい気持ちと、所員に危険な指示を出さなければならない状況の間に立たされている。ひと言で説明できない感情、善悪だけでは判断できない選択……そんな状況がかつてこの国で本当に起こったのだ。「この作品では、キャラクターの魅力を表現する俳優というよりも、あの日、原発で実際に起こったことを表現する役割としてキャストのみんなが参加していたと思いますし、全員がそういう意識でやっていたと思います。あの日に本当に何が起きて、どういう判断をして、どのような混乱状態にあったのかを、作品を観ている方に伝えるために参加していたと思うんです。あの状況では総理大臣でさえパニック状態で、その中で人間として事故に向き合った部分もあったでしょうし、総理の周囲にいる人たちや専門家も混乱していて、見方によっては笑ってしまうようなことが実際に起こってしまっていた。でも、本当にこういう人たちがいたのだとすれば、それは国として危ないことですよね。だからこそ、この作品では事故に向き合った人たちが本当はどういう状況に置かれていたのかを、その怖さを表現するべきだろうと思いました」そして、ここで描かれた事故はまだ終わっていない。福島第一原発ではまだ廃炉作業が続いているのだ。「観客の中には、あの事故を忘れかけている方もいるかもしれないですけど、この事故はまだ収束できるかどうかも分からないわけで、我々は地球のエネルギーについて真剣に考えなければならないと思います」本作は“過去の再現”ではない。まだ続いている問題について考え、未来につながる作品として制作されたのだ。「そうですね。そうありたいですよね。この『THE DAYS』の配信が始まることで、世界の人たちにあの事故が実際にどんなものだったのかを知ってもらえると思いますし、これから人間が生きていく上でエネルギーをどうしていったらいいのか?というメッセージは伝わると思っています」撮影:源賀津己ヘアメイク:遠山美和子(THYMON Inc.)スタイリング:安野ともこ<作品情報>『THE DAYS』Netflixにて世界独占配信中
2023年06月28日Netflixシリーズ『THE DAYS』に出演している役所広司、竹野内豊、小日向文世、小林薫による特別インタビュー映像が公開された。本作は、入念なリサーチによって、福島第一原発事故を克明に描いた事実に基づく物語。製作陣は徹底的にリアリティを追求し、安易な英雄譚や美談に仕立てることを避け、3つの視点による重層的なドラマによって真実をあぶり出していく。未曾有の事故が起こった福島第一原子力発電所で陣頭指揮を執る吉田所長を演じた役所は「プロデューサーの増本さんからこの企画のコンセプトを聞いた時に、“あの日、あの時、何が起きていたのかを丁寧に描いて、世界中の人に伝えるべきではないか”という話を聞いて、それに加えてプロデューサーの思いというのが……この事故はあの7日間だけでなく、これからどんどん廃炉に向けて日本だけではなくて世界中が注目するだろうと。それを何とか描き続けてみたいと想いを聞いて、素晴らしいと思い、これは是非参加したいと思いました」と、製作陣の並々ならぬ覚悟や想いに感銘を受けて出演を決めたと明かしている。内閣総理大臣という難しい役どころに挑んだ小日向は、出演を決める時に「ためらいはなかったですね」と断言。「やはり3.11の首相官邸の混乱、あの渦の中にいた首相を演じるということは経験できないことだと思いましたし、そのような役を頂くのも最初で最後だと思ったし……その時の首相はどのような葛藤があったのか、それを演じる楽しみがありましたね」と、役者人生の中で希有な機会が訪れたと確信し、葛藤が滲む役柄を演じた。福島第一原発の現場、1,2号機のベテラン運転員を演じた小林は、実在の人物を演じるにあたって「やはり自分の会社を愛しているとか、それだけに留まらない。自分の仕事に誇りを持っている人たちが、こんなにいるんだなと思いました。本当に命がけの作業に手を挙げて“行く”と言うんですもんね」と当時の命がけで働いていた人たちに敬意を示し、「現場で働いている職員の人たちはやはりすごいなと思いましたね」と現場を振り返っている。さらに、事故発生現場に最も近い中央制御室の当直長を体現した竹野内は、「世界中の人たちにこの事実を知っていただきたい」と強い想いを口にする。「一人でも多くの方が何かこの映像の中から感じていただくことに大きな意味があるのではないかなと思っています」と語り、『THE DAYS』によって、世界中の人々の意識に変化が生まれ、この作品が誕生した意味が生まれるのではないかと結んでいる。Netflixシリーズ『THE DAYS』キャストインタビュー映像<配信情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』Netflixで独占配信中Netflixシリーズ『THE DAYS』ビジュアル作品ページ:
2023年06月15日役所広司が主演を務めるNetflixシリーズ『THE DAYS』より、プロデューサーの増本淳と、増本と⻑年タッグを組んできた⻄浦正記、『リング』シリーズの中田秀夫の監督2名のコメントが到着した。全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から福島第一原発事故を克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描く。全8話中6話を手掛けた⻄浦監督は、「今までやってきたことが、全て練習だったような気がするぐらいやりがいがありました。ある意味、いままでドラマでやってきた常識を捨てて、新たなチャレンジをした気持ちです」と製作を振り返る。増本プロデューサーからは、「“VFXすごいよね”と思われる映像ではなく、“あの場にいた人たち、本当に怖かっただろうな”と疑似体験できるような映像」を依頼された。実際に福島第一原発を訪れ、防護服を着て制御室などを見学したことが、「原子炉との距離感、建屋の巨大さ、密閉感を体感させていただき、自分自身のものになってきた気がします」と徹底的にリアリティを追求した。第4話と5話を手掛けた中田監督は、見えない恐怖=放射能を描くために、「空気中にきらきら光って漂う粒子を撮りました。もちろん、これは放射線の映像的なメタファーです。それと効果音に蚊の羽音のような音を加えるようお願いしました。そのような不快な音を使えば、視聴者に危険な事態が進行している感覚を無意識のうちに伝えられると思ったからです」と語る通り、キャストへの演出だけではなく、視覚、聴覚的な表現を駆使して放射能の恐怖を描いた。さらに注目なのは、全ての電源を失った福島原子力発電所内の描写だ。歩くのも恐怖を感じるほどの暗さの中で撮影した建屋内のシーン。プロデューサーの増本は、映像の質感を高めるため、カラーリングや暗さをとことん追求した。「電源を失った中央制御室や建屋内は本当に真っ暗だったんです。しかも現場の人たちは、視界が狭くて息苦しいマスクを着け、あの真っ暗闇の状況に置かれていた。それがどれほど人間の体力を疲弊させ、思考力を奪い、なおかつ恐怖を増幅させるかということを、視聴者に感じてほしかった」と、事故に対峙した人々が感じたであろうリアルを全世界の視聴者に追体験してもらえるドラマに仕上げた。<配信情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』『THE DAYS』ビジュアルNetflixで独占配信中作品ページ:
2023年06月11日77の国・地域でTOP10入り&週間グローバル第5位を記録した役所広司主演のNetflixシリーズ「THE DAYS」より本編映像が解禁された。本作は、Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)では堂々5位を記録し、今日のシリーズトップ10では、日本で1位を獲得したほか、アメリカ、カナダ、イギリス、スペイン、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、オーストラリア、フィリピン、タイなど世界77の国・地域でトップ10入りする快挙となっている(6月7日時点)。1位を獲得した日本では、「沈黙と厳かさで緊迫演出をこなす世界標準の和製ドラマ&いぶし銀の名優陣」、「誰もが知る事故だけに史実を大きく逸脱することなく、しかし感動的な物語を仕上げている」、「吉田所長役の役所広司他、俳優陣の演技が尋常じゃなく重い。画面から目が離せなくなる緊張感。あの当時の恐怖が間近に蘇る」など、主演の役所さんと共演者たちの重厚でリアルな演技に絶賛の声が続出、SNSで大反響を巻き起こしている。また、海外のSNSでも「3回泣いた」、「日本人の名誉や責任に対する考え方に感銘を受けた」、「久々に見るTVドラマの最高傑作だ。最初から最後までサスペンスに満ちた手に汗握るドラマ。真に迫る恐ろしい物語。必ず見るべきだ。人間がいかに愚かな存在であるかがわかる」など高評価を得ている。この度解禁された本編映像は、事故現場で陣頭指揮を執った福島第一原子力発電所長の吉田が所員に退避命令を下すシーン。2011年3月11日、福島に押し寄せた津波によって未曾有の危機《福島第一原発事故》が発生した。役所さんが演じるのは、死を覚悟しながらも免震重要棟の緊急対策室で混乱した現場を指揮した原発所長の吉田。全電源が喪失し、全6基のうち4基の原子炉が制御不能となった未曽有の危機に直面しながらも懸命に対処を続けている。吉田の元には、度重なる余震に見舞われた原子炉建屋の爆発の報告、原子炉建屋内の放射線量が上昇を続けているとの報告が続く。深刻な局面に立たされ本店に所員退避の許可を取った吉田は、「全所員に伝える」と呼びかける。その号令に、全員が手を止め所長の命令を聞くために受話器や無線機を手に次の言葉を待つ。「各班は最少人数を残して退避。残るべき人間は各持ち場の班長が指名すること」と指示を下す。うなだれ、天を仰ぐ所員たちの姿に「皆さん、今やっている作業に直接かかわりのない方は避難していただいて結構です。本当に今までありがとうございました」と深く頭を下げる吉田と右腕として奮闘する、音尾琢真演じる5号機副長、木下の吐き出すことのできない無念の表情をとらえている。役所さんは未曾有の危機に対峙した人物を演じるに当たって、「おそらく吉田所長は常に社員たちの無事と、恐ろしい状況の中で自分がもう駄目だといった振る舞いや表情は見せてはいけないということを意識していたんじゃないか、吉田所長が諦めた雰囲気を出したらみんなの士気が下がる、ということを考え、ドラマの中のリーダーとしてそういう部分は意識しようと思った」と語っている。「THE DAYS」はNetflixにて独占配信中(全8話)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年06月09日役所広司が主演を務めるNetflixシリーズ『THE DAYS』の本編映像が公開された。全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。福島第一原発事故を題材にしており、「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描いた実話に基づく物語だ。6月1日(木) に配信がスタートすると、Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で5位を記録。今日のシリーズトップ10では日本で1位を獲得したほか、アメリカ、カナダ、イギリス、スペイン、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、オーストラリア、フィリピン、タイなど世界77の国・地域でトップ10入りする快挙となっている。今回の快挙達成を記念して公開されたのは、事故現場で陣頭指揮を執った福島第一原子力発電所長の吉田(役所)が所員に退避命令を下す本編映像。吉田のもとには、度重なる余震に見舞われた原子炉建屋の爆発の報告、原子炉建屋内の放射線量が上昇を続けているとの報告が続く。深刻な局面に立たされ本店に所員退避の許可を取った吉田は、「全所員に伝える」と呼びかける。その号令に、全員が手を止め所長の命令を聞くために受話器や無線機を手に次の言葉を待つ。「各班は最少人数を残して退避。残るべき人間は各持ち場の班長が指名すること」と指示を下す。うなだれ、天を仰ぐ所員たちの姿に「皆さん、今やっている作業に直接かかわりのない方は避難していただいて結構です。本当に今までありがとうございました」と深く頭を下げる吉田と、右腕として奮闘する音尾琢真演じる5号機副長、木下の吐き出すことの出来ない無念の表情を捉えている。役所は未曾有の危機に対峙した人物を演じるに当たって、「おそらく吉田所長は常に社員たちの無事と、恐ろしい状況の中で自分がもう駄目だといった振る舞いや表情は見せてはいけないということを意識していたんじゃないか、吉田所長が諦めた雰囲気を出したらみんなの士気が下がる、ということを考え、ドラマの中のリーダーとしてそういう部分は意識しようと思った」と語っている。Netflixシリーズ『THE DAYS』本編映像<配信情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』Netflixで独占配信中作品ページ:
2023年06月09日福島第一原発事故を題材にしたNetflixシリーズ『THE DAYS』の完成披露ワールドプレミアが5月30日、都内で行われ、主演の役所広司が出席。福島第一原発の吉田昌郎所長を演じ「お亡くなりなった方やご遺族、故郷をなくした皆さんがいる中で、実際に起きた原発事故をドラマにしていいんだろうかと躊躇した」と葛藤を明かし、「プロデューサー(増本淳)とお話し、あの日、何が起こっていたのか、伝えるべきだと。廃炉に向けて、伝えることがたくさんあるはずだという思いを聞いて、参加したいと決断した」と振り返った。役所広司全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描いた。改めて「全員で力を合わせて、志をもって作った作品」だとアピールする役所は、「当時の記憶や恐怖心が忘れられつつあるんですけど、こういう時代だからこそ、エネルギーのことを考えていかなければいけないし、一人ひとりが考えて投票もしないといけない」と本作が投げかけるメッセージの重要性を強調。「もう一度、あそこに立ち返って考えていただければ」と訴えかけた。役所といえば、第76回カンヌ国際映画祭に出品された映画『Perfect Days』(ヴィム・ヴェンダース監督)で、日本人2人目となる男優賞に輝き、現地から“凱旋帰国”したばかり。「昨日、帰ってきました。皆さんの応援、カンヌにも届いていました」と感謝を示し、「ちょっと、名前(映画のタイトル)が似ていますけど」と照れ笑いを浮かべていた。この日、行われたワールドプレミアには役所をはじめ、事故発生現場に最も近い1・2号機当直長を演じた竹野内豊、福島第一原発から225キロ離れた首都・東京から陣頭指揮する総理大臣を演じた小日向文世、真っ先にベントを実行するベテラン運転員に扮した小林薫、夫婦役で共演する遠藤憲一と石田ゆり子、増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督が勢ぞろいし、渾身作の世界配信をアピールした。小林薫遠藤憲一石田ゆり子竹野内は「役所さんと直接ご一緒するのは、1シーンだけでしたが、声ひとつだけで、何か引っ張られるものがあり、助けていただいた」と感謝の意。小日向は「世界の皆さんに観ていただけるのは、初めての経験でワクワクしている。役所さんが(男優賞を)とってくださり、たくさんの人に興味を持ってもらえるのが、良かった」と役所の快挙を祝福していた。竹野内豊小日向文世取材・文・撮影=内田涼<作品情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』(全8話)6月1日(木) よりNetflixで独占配信詳細はこちら:
2023年05月30日俳優の役所広司が30日、都内で行われたNetflixシリーズ『THE DAYS』(6月1日配信開始)のワールドプレミア舞台挨拶に登壇した。「第76回カンヌ国際映画祭」のコンペ部門に出品された『PERFECT DAYS』に主演し、日本人俳優として19年ぶり2人目の最優秀男優賞に輝いた役所。冒頭でMCから祝福されると会場から大きな拍手が沸き起こり、役所は「どうもありがとうございます。昨日帰ってきました。皆さんの応援がカンヌまで届いていました」と笑顔で感謝した。そして、「『THE DAYS』も『PERFECT DAYS』も名前がちょっと似ていますが、この作品はみんなで本当に力を合わせて志を持って作った作品です」と『THE DAYS』について述べ、「どうぞじっくり楽しんで、8話まで見てください」と呼びかけた。同作は、2011年に起きた福島第一原発事故を入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から克明にとらえたオリジナルドラマ。あの日あの場所で何が起こっていたのか、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描いた。Netflixシリーズ初主演となる役所が、最前線で指揮をとった福島第一原発の吉田昌郎所長を演じた。舞台挨拶には、竹野内豊、小日向文世、小林薫、遠藤憲一、石田ゆり子、増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督も登壇した。
2023年05月30日2023年5月27日、俳優の塩谷瞬さんがInstagramを更新。公開された写真に、反響が上がっています。塩谷瞬「父さんに会いました」同月16~27日にフランスで開催された『カンヌ国際映画祭』に出席していた、塩谷さん。日本から遠く離れた場所で、「父さんに会いました」と、ある人とのツーショットを公開しました。「いい顔をしている」「いろんな意味で最高」などの声が上がった、実際の写真がこちら。 この投稿をInstagramで見る 塩谷瞬 -shunshioya- TOKYO official(@shunshioya_official)がシェアした投稿 塩谷さんの隣に写っていたのは、実の父親…ではなく、同じく俳優の役所広司さんでした。塩谷さんと役所さんは、2007年に公開された映画『象の背中』で共演。余命半年を宣告された、役所さん演じる主人公の息子役を塩谷さんが演じたことから、今でも「父さん」と呼んでいるそうです。同月27日、『カンヌ国際映画祭』にて男優賞に輝いた役所さん。役所広司、カンヌで男優賞!日本人では2人目の快挙に祝福の声が相次ぐそんな役所さんについて、塩谷さんは「常に人間的な魅力にあふれて、目に見えないものまで感じさせてくれる尊敬する俳優です」とつづっています。それほどに、塩谷さんの俳優活動に素敵な影響をもたらした人物なのでしょう。2人の関係性が伝わってくる笑顔あふれる写真に、心が和みますね。[文・構成/grape編集部]
2023年05月29日現地時間5月27日夜、フランスで開催されていた第76回カンヌ国際映画祭の授賞式にて、映画『Perfect Days』で主演を務めた役所広司が男優賞に輝いた。日本の俳優の受賞は、2004年の『誰も知らない』の柳楽優弥以来2人目で、さらにエキュメニカル審査員賞も受賞し、作品としてはW受賞となった。エキュメニカル審査員賞は、キリスト教徒の映画製作者、映画批評家らによって1974年に創設されたもので、日本人の監督作では過去に青山真治監督の『EUREKA(ユリイカ)』が2000年、河瀬直美監督の『光』が2014年、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が2021年に受賞しており、邦画としては4作品目となる。併せて、役所広司本人、さらに会場で感動の表情を浮かべていた監督のヴィム・ヴェンダース、そしてカンヌで一緒にプレミア上映に立ち会ったキャストからコメントが到着した。■役所広司日々を丁寧に静かに重ねるように生きる。この平山という男を演じるのは、大きな挑戦でした。ヴィム・ヴェンダースという偉大な監督には、フィクションの存在であるこの男にとても大きなリスペクトがありました。それが私を導き、平山という男をこの世界に生み出した気がします。このような賞をいただいてとても光栄です。日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。日本でもみなさんに、「平山」という男をご紹介できる日が楽しみです。■ヴィム・ヴェンダースこれ以上の言葉を私は見つけることができない。“役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である”彼こそが俳優である。それも最高の俳優だ。彼こそが平山であり、『PERFECT DAYS』というこの映画の心臓であり、魂なのだ。この映画を通じて私たちはゆっくりと平山の視線や生き方を受け入れていく。彼の目を通してこの世界をみつめる。そうすることで彼が選びとった人のために生きるというその姿に癒しを感じるようになる。他の俳優でも平山を「演じる」ことはできるだろう。けれど役所広司は平山そのものになった。穏やかさ、謙虚さ、大きな心。同じようなひとに対してだけでなくすべてのひとに対しても。自然に対してもそれをもつ。とくに木々には静かで美しい感情を抱いている。カンヌの劇場から泣いて帰る人がいるとしたら、それはこの偉大な俳優が彼らを旅に連れ出したのだ。彼らの魂に、より良く生きることとは何か。満たされた生き方はどういうものか。そういう考えに火をともしたのだ。こんなことを成し遂げる俳優は世界にそうはいない。私は彼と一緒に映画をつくれたことをとても幸せに思う。この賞は、私と、そしてカンヌに集まったチームの全員が待ち望み、そして夢にみたものである。■中野有紗受賞、本当におめでとうございます。役所さんの演技、作品に取り組む姿勢は私の心に強く響きました。役所さんの存在の素晴らしさが更に世界に伝わったような気がして、自分の事のように嬉しく感じています。その様な受賞作品に、私も出演させて頂けた事を心より光栄に思って居ります。本当におめでとうございました。■アオイヤマダ受賞おめでとうございます。人それぞれの日常や居場所が主人公であり、それこそが平和ということ。与えられた時間を精一杯生きること。そして、決して一人では生きられないこと。私はこの作品に携わらせて頂き、改めて意識することができました。ヴィムさんがみつめる日本には、私たちが気がつくことができない、新芽のような美しさがあります。素晴らしい機会を下さったこと、本当に感謝しております。■田中泯嬉しい!役所さんの受賞が自分のことのように嬉しい。そうして『PERFECT DAYS』を受け入れたフランス、カンヌにヤッホーだ。この作品に関わった全ての人の心の内に秘められていたことがこの結果だった、と僕は信じます。ヴェンダース監督がそんな人々の先頭で喜びに浸っているに違いない。役所さんが体現した平山さんは、自分のテンポとメロディーで生きたい人々の本当の例題となるでしょう。言葉少ない役所さんは、ずっと踊っていた!<作品情報>『PERFECT DAYS』原題:『PERFECT DAYS』/上映時間:124分/製作:日本/日本配給予定【スタッフ】監督:ヴィム・ヴェンダース脚本:ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬エグゼクティブ・プロデューサー:役所広司プロデュース:ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬【キャスト】役所広司、柄本時生、中野有紗アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり田中泯、三浦友和 ほか(C)2023 MASTER MIND Ltd.『PERFECT DAYS』トレーラー
2023年05月29日俳優の役所広司が27日(日本時間28日未明)、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。役所は、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが新たに手がけた東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた長編映画『PERFECT DAYS』に主演。インタビューでは「平山の暮らしぶりをイメージさせる様な環境を監督が整えてくださった」と明かしており、25日の公式上映では約10分間のスタンディングオベーションにつつまれ、観客からも本作への大きな評価を得ていたという。最優秀男優賞に選ばれた役所は、壇上にて「こうやってこんな華々しいカンヌ映画祭でスピーチをするのはあんまり好きじゃない」と微笑み、製作の柳井康治をはじめ、監督のヴィム・ヴェンダース、脚本の高崎卓馬、そして製作スタッフ、キャスト、事務所のスタッフ等、一人一人に心のこもった感謝の意を表した。また、直後に行われた日本の記者向け取材で役所は「この賞に恥じないように頑張らなきゃな」と心情を明かし、海外へ出演について話が及ぶと「自分の表現が役に立つような良い作品があれば参加したいとは思っています。基本的には、自分たちの国の映画で、世界中の人たちに楽しんでもらえるのが、一番の早道かな」と語った。第50回カンヌ国際映画祭にて、主演作『うなぎ』(今村昌平監督作)がパルムドールを受賞していた役所だが、最優秀男優賞は初の受賞となる。『PERFECT DAYS』はエキュメニカル審査員賞も受賞した。(c)Kazuko Wakayama
2023年05月28日現地時間2023年5月27日、フランスで開催された『カンヌ国際映画祭』にて、コンペティション部門出品作『Perfect Days(パーフェクト・デイズ)』で主演を務めた俳優の役所広司さんが、男優賞に輝きました。日本人が同映画祭で男優賞に輝くのは、2004年の是枝裕和監督による『誰も知らない』に出演した俳優の柳楽優弥さん以来19年ぶり、2人目の快挙。産経ニュースでは、授賞式後に報道陣に対して喜びを語った役所さんのコメントを報じています。授賞式後の囲み取材に、役所さんは「やっと柳楽(優弥)君(2004年に14歳で男優賞受賞)に追い付いたかな」と話して、笑いを誘った。歴史あるカンヌで認められ「この賞に恥じないように頑張んなきゃなと思います」と決意を語った。産経ニュースーより引用役所さんの功績は日本でも早速伝えられ、喜びの声が寄せられました。・すごい!おめでとうございます!・やっぱり、役所さんは素晴らしい俳優ですねっ!・役所さんならもっと早くに取っていて当たり前くらいに感じますが、本当におめでとうございます。そして柳楽さん、こう考えると、改めてすごいな。役所さんが主演を務めた『Perfect Days』は、ドイツ出身のヴィム・ヴェンダース監督が、東京の渋谷を舞台に、公共トイレ清掃員の日々を描いた作品。役所さんは同作の主演として、トイレ清掃員の平山を演じました。なお、日本公開日は未定。日本でも公開された際には、役所さんの演技をひと目見ようと、多くの観客が集まることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年05月28日第76回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間5月27日(土)夜に行われ、ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』(原題)の役所広司が、日本人としては柳楽優弥以来19年ぶり2度目となる男優賞を受賞。また、坂元裕二が是枝裕和監督『怪物』で脚本賞を受賞した。カンヌでパルム・ドール受賞経験もあるヴェンダース監督のもと、役所さんが演じたのは、東京・渋谷の公共トイレ清掃員という仕事を淡々とこなし、日々の小さな歓びに満足している無口な平山という男。「平山の暮らしぶりをイメージさせる様な環境を監督が整えてくださった」と明かしており、5月25日(木)の公式上映では約10分間のスタンディングオベーションにつつまれ、観客からも大きな評価を得ていた。授賞式の壇上は、1997年に故・今村昌平監督『うなぎ』のパルム・ドールを代理で受け取って以来という役所さんは、感激の面持ちで「こんな華々しいカンヌ映画祭でスピーチをするのはあんまり好きじゃない」と微笑みつつ、審査員、ヴェンダース監督やスタッフ、そして観客に対して感謝をコメント。日本人のカンヌ男優賞受賞は、2004年の是枝裕和監督作『誰も知らない』で当時14歳だった柳楽さん以来、19年ぶり。昨年は是枝監督作『ベイビー・ブローカー』でソン・ガンホが同賞を受賞しており、2年続けてアジア人が男優賞に選ばれた。授賞式を終えた役所さんは日本のメディアに対し、「やっと柳楽くんに追いついたかなと(笑)。彼は本当にすばらしい俳優になったし、(自分も)いろんな男優賞をいただきましたけれど、これからこの賞に恥じないように頑張らなきゃなと改めて思いました」と心情を語った。海外作品への出演について話が及ぶと「自分の表現が役に立つような良い作品があれば参加したいとは思っています。基本的には、自分たちの国の映画で、世界中の人たちに楽しんでもらえるのが、一番の早道かな」と語った。なお、『PERFECT DAYS』はエキュメニカル審査員賞も受賞した。また、是枝監督の最新作『怪物』(6月2日公開)で、『花束みたいな恋をした』や数々のヒットドラマの脚本を手がけてきた坂元さんが脚本賞に。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督以来、日本人としては2人目。独立賞であるクィア・パルム賞と合わせて2冠となった。『怪物』最高賞にあたるパルム・ドールは、ジュスティーヌ・トリエによる『ANATOMY OF A FALL』(英題)が受賞。女性監督のパルム・ドールは、ジェーン・カンピオン監督『ピアノ・レッスン』、ジュリア・デュクルノー監督『TITANE/チタン』に続く史上3人目の快挙となった。コンペティション部門主な受賞結果パルム・ドール(最高賞)ジュスティーヌ・トリエ『ANATOMY OF A FALL』グランプリ(次点)ジョナサン・グレイザー『THE ZONE OF INTEREST』監督賞トラン・アン・ユン 『THE POT AU FEU』審査員賞アキ・カウリスマキ『FALLEN LEAVES』脚本賞坂元裕二『怪物』女優賞メルベ・ディズダル『ABOUT DRY GRASSES』男優賞役所広司『PERFECT DAYS』カメラ・ドール(新人監督賞)ファム・ティエン・アン『INSIDE THE YELLOW COCOON SHELL』(text:cinemacafe.net)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会
2023年05月28日ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースと役所広司がタッグを組み、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた長編映画『PERFECT DAYS』(原題/日本公開未定)が、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品。レッドカーペットや公式上映に監督やキャスト陣が登場した。数々の傑作を世に送り出し続けたヴィム・ヴェンダースが、日本の公共トイレのなかに「small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)」を見出し、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡いだ本作。第76回カンヌ国際映画祭、開催10日目となる5月25日、晴れやかな日差しに迎えられ、15時半頃、『PERFECT DAYS』のコンペティション上映を直後に控えたヴィム・ヴェンダース監督、主演の役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯がレッドカーペットに登場した。大きな声援を受け、ゆっくりとレッドカーペットを進むと、劇中で使用されている楽曲Lou Reedの「Perfect Day」がかかり、監督が思わず踊りだす場面も。レッドカーペットの前に実施された取材では、「編集ではみんなの顔を見ていたけど、カンヌで実際に会うことができてとても嬉しい」と顔をほころばせていた監督。役所さんについて聞かれると「彼の作品は、かなりの数を見た」という。「警官としても侍としても素晴らしい、なんという役者なんだと思っていた。役所さんと仕事するのは夢のようでした」と役所さんへの思いを明かす。また、「この作品にはスピリチュアルなレベルがあって、みなそれを感じてくれていた」とキャスト陣への厚い信頼も明かした。一方、役所さんがヴェンダース監督から学んだことについて話題が及ぶと、「常に楽しそうにしていたので、その姿勢がキャストを励まし、大きな演出になっていた」という。役所さん演じる主人公・平山の姪を演じた中野さんは「本当にありのままのわたしとキャラクターを重ねて演じるような環境をヴィムが整えてくださったので、自然に演じることができた」と回顧、ホームレスを演じた田中さんは「映像にとらえたものは全部その場でやったもの。わたしはスピリットそのものです」と明かし、アオイさんは「ヴィムさんも、役所さんも周りを引き立ててくれる人だなと思った」と語った。公式上映は、2,300人以上を収容できるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレにて満員の観客の中、開催。会場に監督とキャストが現れると、観客は総立ちで迎え、約5分間におよび拍手が鳴りつづけ、上映開始前から期待の大きさを感じさせる。そして2時間5分の上映が終了するや否や、会場は一気に熱を帯び、観客は一斉に立ち上がって約10分に渡るスタンディングオベーションが起こった。感激につつまれる監督を役所さん、中野さん、アオイさん、田中さんが優しくつつみこみ、映画同様、あたたかく感動的な上映となった。熱気はそのままに、キャストのみ上映後の囲み取材を実施。熱いスタンディングオベーションを受けた気持ちについて聞かれると、役所さんは「みなさん褒めるの上手ですよね(笑)」と謙遜し照れつつも「監督が言ってたんですけど、褒められても自分がうまいと思わないで、けなされても自分がダメだと思わないで、映画で語りなさい。と。まさにそうだなと。でも今日みたいな暖かい拍手を受けて、ああお客さんが喜んでくれてるんだ。良かったな。と単純に思いました」と顔をほころばせた。中野さんは「どういう反応がくるのかなと不安だったけど、きっと感じるものがあるんじゃないかという望みはありました。スタンディングオベーションで拍手と喝采を感じた時にそれが確信に変わりました」とコメント。ベテランの田中さんは「映像のお仕事で(スタンディングオベーションを受けたのは)初めてです。嬉しいというよりも『役所さん、やったね!!』という気持ちで、抱きつきたかったです」と、主演の役所さんを気遣った。最後にアオイさんは「役所さんが爆発するわけでも、変身するわけでもない映画なんですが、日常の幸せ、平和の象徴が描かれた映画が評価された、ということがとても嬉しく思いました」と締めくくった。『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド監督がコンペティション部門の審査員長を務めている、今回のカンヌ国際映画祭。カンヌの常連であるヴェンダース監督が、日本を舞台にした本作で計21作品の中から最高賞となるパルム・ドールを狙う。主演男優賞はじめ各賞が発表となるのは、現地時間5月27日(土)となっている。(text:cinemacafe.net)
2023年05月26日ヴィム・ヴェンダース監督が役所広司主演で渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた長編映画『PERFECT DAYS』。この度、第76回カンヌ国際映画祭にて、コンペティション部門へ正式出品を果たした本作の海外用特報映像が解禁された。5月16日から開催された、世界中から選出された映画と映画人が一堂に会する世界最大級の国際映画祭、第76回カンヌ国際映画祭にてコンペティション部門へ正式出品を果たした本作。現代映画における最も重要な1人とされるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが、日本の公共トイレのなかにsmall sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)を見出し、東京・渋谷の公共トイレ清掃員・平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら日々を紡いだ。この度解禁されたカンヌ国際映画祭用の映像は、パリ、ロンドン、ベルリン、東京で行われた試写会で、「今の東京をこんなにも温かく、美しく、描けるのか」と驚きの声が多数あがった映像。「この世界にはつながっている世界と、そうでない世界がある」その言葉のとおり、自分だけのルーティンのなかを淡々と生きる清掃員の平山。そしてそれを静かに揺らす出来事たち。ヴィム・ヴェンダースの見つめる、詩的で温かな世界がここにあると分かる映像となっている。(text:cinemacafe.net)
2023年05月22日Netflixとワーナー・ブラザース映画が製作、役所広司主演で2011年に起きた福島第一原発事故を事実に忠実に、圧巻の臨場感で描くNetflixシリーズ「THE DAYS」が6月1日(木)より世界独占配信。この度、福島第一原発所長・吉田役に真摯に向き合い、演じきった役所さんのコメント&場面写真が解禁となった。2011年3月11日、福島に押し寄せた津波によって未曾有の危機・福島第一原発事故が発生した。吉田所長は、死を覚悟しながらも免震重要棟の緊急対策室で混乱した現場を指揮する…。事故当時の福島第一原発所長をモデルにした主人公を演じるのは、日本映画界を代表する名優である役所さん。全電源喪失、4基の原子炉の暴走という、チェルノブイリ以上の未曾有の危機に対峙する現場リーダーの信念、焦燥感、責任の重さを、多面的かつ人間味豊かに体現した。「実際に起こった大事故で、けがをした方、亡くなった方、故郷をなくした方がいらっしゃる中、しかも、事故の収束の目処も立っていない中でドラマ化して大丈夫だろうかという不安はありました」と、オファーを受けたときにはためらいがあったことを率直に語る役所さん。「しかし、脚本も手掛けたプロデューサー(増本淳)から『あの日、あの時、何が起きていたのかを丁寧に描いて、世界中の人に伝えるべきではないか』『これからも廃炉に向けて世界中が注目するだろうから、描き続けたい』との思いを伺って、是非、参加したいと思いました」と、この事故は終わったわけではなく、いまもなお続いている事実を忠実に伝えたいというプロデューサーたちの思いに共感し、出演を決めたという。福島第一原発所長・吉田を演じるにあたって、「原作を始め、いろんな本、資料を頂き、吉田所長の実際の映像、声を見聞きしながら、あの状況下でどんな心の状態だったのかを感じることから始めました。描かれるのは1週間くらいの話ですが、その間、吉田所長たちはちゃんとした食事もできなかっただろうと思い、ラストに向けて徐々に体重を落としました。俳優にできることといったらそれくらいですから」と、俳優として役と真摯に向き合い、混乱する現場を命がけで指揮する所長まで役作りを進めていった。「撮影しながら、おそらく吉田所長は常に社員たちの無事と、恐ろしい状況の中で自分がもう駄目だといった振る舞いや表情は見せてはいけないということを意識していたんじゃないか、吉田所長が諦めた雰囲気を出したらみんなの士気がさがる、ということを考え、ドラマの中のリーダーとしてそういう部分は意識しようと思いました」と、揺るぐことのないリーダーとしての役割を果たし、同時に「座長」という役割も全うした。今回、現場の緊迫感が伝わる役所さんが演じる吉田所長をとらえた場面写真5点が初解禁。政府や本店からの錯綜する指示に翻弄され、タイムリミットにも追われた最前線の現場は、原子炉の暴走を阻止するために死力を尽くしている。対策本部で携帯電話からの報告を受けとめ、深刻な表情で考え込んでいるカット。また、スタッフたちが集まる中で「本部長」というゼッケンを着けた吉田の姿や、刻一刻と変わる原子炉の状況を記したホワイトボードの前で本部長の右腕でとして対策に当たる5号機副長(音尾琢真)と自衛隊員(高橋和也)から報告を受けている1枚も。緊急対策室の窓越しに、“原子炉建屋爆発”を目にした瞬間の吉田の驚愕の表情も初解禁されている。Netflixシリーズ「THE DAYS」は6月1日(木)より世界独占配信(全8話)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年05月20日福島第一原発事故を題材にしたNetflixシリーズ『THE DAYS』で主演を務める役所広司のコメントが到着した。全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を、政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描いた実話に基づく物語だ。事故当時の福島第一原発所長をモデルにした主人公・吉田所長を演じた役所は、全電源喪失、4基の原子炉の暴走というチェルノブイリさえ経験しなかった未曾有の危機に対峙する現場リーダーの信念、焦燥感、責任の重さを、多面的かつ人間味豊かに体現。「実際に起こった大事故で、けがをした方、亡くなった方、故郷をなくした方がいらっしゃる中、しかも、事故の収束の目処も立っていない中でドラマ化して大丈夫だろうかという不安はありました」とオファーを受けたときにはためらったと率直に語っている。しかし、「脚本も手掛けたプロデューサー(増本淳)から“あの日、あの時、何が起きていたのかを丁寧に描いて、世界中の人に伝えるべきではないか”“これからも廃炉に向けて世界中が注目するだろうから、描き続けたい”との思いを伺って、是非、参加したいと思いました」と、この事故は終わったわけではなく、今も続いている事実を忠実に伝えたいというプロデューサーたちの思いに共感し、出演を決めたという。今回の役を演じるにあたって、「原作を始め、いろんな本、資料を頂き、吉田所長の実際の映像、声を見聞きしながら、あの状況下でどんな心の状態だったのかを感じることから始めました。描かれるのは1週間くらいの話ですが、その間、吉田所長たちはちゃんとした食事もできなかっただろうと思い、ラストに向けて徐々に体重を落としました。俳優にできることといったらそれくらいですから」と準備を進めた。また「撮影しながら、おそらく吉田所長は常に社員たちの無事と、恐ろしい状況の中で自分がもう駄目だといった振る舞いや表情は見せてはいけないということを意識していたんじゃないか、吉田所長が諦めた雰囲気を出したらみんなの士気がさがる、ということを考え、ドラマの中のリーダーとしてそういう部分は意識しようと思いました」と、どんな困難に直面しても揺るぐことのないリーダーとしての役割を果たし、同時に「座長」という役割も全うした。併せて、現場の緊迫感が伝わる場面写真5枚が公開された。対策本部で携帯電話からの報告を受けとめ、吉田が深刻な表情で考え込んでいるカットや、スタッフたちが集まる中で「本部長」というゼッケンを着けた吉田の姿、また緊急対策室の窓越しに“原子炉建屋爆発”を目にした吉田の驚愕の表情などを見ることができる。<配信情報>Netflixシリーズ『THE DAYS』6月1日(木) よりNetflixで独占配信作品ページ:
2023年05月20日