くらし情報『【シネマ羅針盤】なぜ監督賞候補ならず? 納得できないほど『オデッセイ』は傑作すぎる』

2016年2月4日 20:00

【シネマ羅針盤】なぜ監督賞候補ならず? 納得できないほど『オデッセイ』は傑作すぎる

興行的な成功も収めており、全世界興収は6億ドルに迫る勢い。これはスコット作品史上最高の数字だ。

こうした世界的ブームが示す通り、『オデッセイ』は強烈な個性で敷居の高さも感じさせた過去の作品に比べ、より間口を広げた「誰もが楽しめ、心動かされる」普遍的なヒューマンドラマに仕上がっている。火星からの生還を目指す宇宙飛行士の孤独なサバイバルと、それを地球から見守る70億人の壮大な物語。見れば日常のささいな悩みなど確実に消えてしまう本作は、「悪役がひとりも登場しない」というスコット作品らしからぬ点も魅力である。

しかも、今年のアカデミー賞では作品賞、主演男優賞など7部門にノミネートされているだけに、監督賞候補からもれたのは納得がいかない。次回作が『プロメテウス』の続編として準備が進む17年公開予定の『エイリアン:コヴナント』(原題)となると、しばらくオスカー受賞は難しそうだし…。現在78歳という年齢を考えると、「今後何本の映画を監督できるのか?」と心配にもなってしまう。
本人にとっては余計なお世話かもしれないが。

『オデッセイ』は2月5日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:Ryo Uchida)

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