【シネマVOYAGE】建物が語りかける不思議体験…『もしも建物が話せたら』
ですからその後に続く5つの作品は、彼らに会いにいく旅のようでもあります。
ドイツのベルリンからロシアの国立図書館へ、ロシアからノルウェーのハルデン刑務所へ、そしてアメリカ・サンディエゴのソーク研究所、再びノルウェーに戻りオスロのオペラハウス、最後はフランスのパリにあるポンピドゥー・センターをめぐる旅です。中でも興味深かったのは、ハルデン刑務所(マイケル・マドセン監督)とソーク研究所(ロバート・レッドフォード監督)。観光ではなかなか訪れることのできない建物に秘められた、その建物が担う役割と影響力に驚かされます。
研究所と刑務所は難しいですが、いつか彼らのいる街を訪れ、彼らがどんなふうに語りかけてくるのか会話をしてみたと思ってしまう──。『もしも建物が話せたら』は建物に対する概念を変えてくれる、想像力を膨らませてくれる、出会ったことのないドキュメンタリーでした。
(text:Rie Shintani)
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