50年代N.Y.の雰囲気を映し出すファッションに注目『マザーレス・ブルックリン』
衣装デザインのエイミー・ロスは、「私は、尊敬して止まない写真家であるソール・ライター、ゴードン・パークス、ヴィヴィアン・マイヤーなどの作品を思い出していた」とインスピレーションの元を語り、ローラが着こなすスカートやブラウス、帽子やドレス、そしてブルーのコートまでハンドメイドで手掛けている。
「50年代の若い女性の大学生活を調査した。ローラは普段着でいるような姿より、ロー・スクールからの帰路に相応しい装いかもしれない。しかし、ローラはソーシャル・ワーカーなので、洗練さの兼ね合いが微妙となる。彼女は親しみ易く見える事に注意を払っていた。また、ググはとても美しいので、あえてロマンチックな装いの方向付けをしようとしてもそれは無用となる」とエイミー。ローラという役柄、そしてググという演者を念頭に置いて、衣装に取り掛かったことを明かす。
ブルーのコートに大振りのスカーフを巻いたスマートな装いと、黄色いカーディガンで華やかさは出しつつも、動き易さ、親しみ易さを感じさせる装いは、レスリー・マン演じるフランク(ブルース・ウィリス)の妻・ジュリアの装いとは異なる層の人物であることを示す演出の一つ。
衣装や、小道具までにもこだわりを見せ、熱意を持って映画化したノートン待望のプロジェクトであることが伺えそうだ。