くらし情報『鬼才・園子温&AKIRA “1+1=2”で作り上げた命の物語『ちゃんと伝える』』

鬼才・園子温&AKIRA “1+1=2”で作り上げた命の物語『ちゃんと伝える』

そこに監督の意図はあったのでしょうか?

園:1本の映画を作るとき、泣かせるとか笑わせるとか、そういうことじゃなくて、“1+1=2”になるから、シーンを繋げていくだけなんですよ。テーマも物語も出来ていて、それが結果的に泣ける映画や笑える映画になっていくのであって、そういうのは意図させちゃダメだと思います。お通夜のシーンも、みんなちょっと笑ってたり、変な係の人がいたり…、葬式を経験すると、笑えるところがいっぱいあるんですよ。そのシーンを観て笑えちゃったら笑えちゃったで、しょうがないと思います。でもそれは観る人を笑わすためではなくて、全体を通して本当のことが言いたいな、と。

AKIRA:僕も作品が出来上がって、霊柩車で父親を運んだり一緒に釣りをするというシーンを改めて観たときは、あんなに斬新なシーンを本当に何でもないように美しく、切なくも温かく見せる演出だなと。いままで監督に対して、天才とか鬼才というイメージがあったんですけど、作品を観て、園子温監督という人間性というか、情熱やピュアさを感じさせていただきました。すごく素敵な作品で、自分が成長したときに、次もまた監督の作品に携わらせていただけたら、という気持ちになりました。

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