くらし情報『【レビュー】ハイテク機器を操る妖精たちの世界と天才少年の出会い『アルテミスと妖精の身代金』』

2020年9月7日 16:00

【レビュー】ハイテク機器を操る妖精たちの世界と天才少年の出会い『アルテミスと妖精の身代金』

原作では男性のLEP(地底警察)ルート司令官をベテランのジュディ・デンチが威厳たっぷりに演じ、きっちりと場を締める。

一番のお気に入りは、今作の語り部となるドワーフの異端児、マルチ・ディガムズを演じるジョシュ・ギャッド。彼が演じるマルチの特技、穴掘りと“ガス攻撃”は一度観たら忘れられないほどインパクト大。ジョシュ本人も言うように、誇りを持ちユーモアのスパイスを利かせる点はハグリッドのようで、アウトローを気取るところはハン・ソロかも!?

大胆な活躍を見せるのが、エルフの女性警官ホリー・ショート役のララ・マクドネル。勇敢で少々向こう見ずなところのある行動派のホリーを好演しており、1,200人の中から選ばれた主人公アルテミス・ファウル役の映画初出演フェルディア・ショウとともにこれからが楽しみな存在だ。

コリン・ファレル演じる大好きな父アルテミス・ファウル・シニアといるときにだけ見せる素直さを、サングラスの下に覆い隠しているアルテミス。だが、“誘拐した妖精”ホリーとのやりとりの中で彼の心に芽生えたものと、マルチたちとの新しい出会いが孤独でひねた少年だった彼を変えていく。コロナ禍の混乱の中でも広がる一方の、排外主義に対する示唆も感じさせている。

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