内戦下、大学寮を抜け出しナイトクラブへ…『パピチャ』冒頭映像「国際ガールズ・デー」に解禁
そして突然、銃を携えた男たちによる検問に気が付いた運転手が「音楽を消せ」と告げると、ふたりは持っていた布で急いで身体を覆った――。
ムニア・メドゥール監督は、「“あの時代を描きたい”というのが出発点だった。海外では1990年代のテロ映像を目にすることは多いけど、実際の生活は知られてない。だからこの映画ではアルジェリア社会の内側を見せたかった」と言う。「その中心は少女たちの小さな世界、繭のように心地のいい女性たちの世界。彼女たちを中心に当時の闘いを描きたかった」と本作への想いを語っている。
ネジュマがタクシーのカセットデッキにかけた曲は、1989年に発表され、日本でもヒットしたテクノトロニックの「ゲット・アップ/Get Up (Before The Night Is Over)」だ。監督は「脚本を書いている時から、音楽は1990年代のものを使うと決めていた。
アルジェリアの若者たちは、世界中のほかの国の若者と同じ音楽を聴いていた。彼らと同じヒット曲を聴いて踊り、お祭り騒ぎをしてた」と自身のアルジェリア時代の思い出を語る。
物語が進むにつれ彼女たちを巡る抑圧が日に日に増していく中でも、ネジュマとワシラは輸入品であふれる布地店でお気に入りの服を買う。