ルトガー・ハウアー出演の伝説のスリラー『ヒッチャー』冒頭シーンの撮影秘話が明らかに
と映像の冒頭で真剣に語る。本作のロバート・ハーモン監督に「無限の可能性を秘めている」と演技を評価されるハウアーは、自身が演じたジョン・ライダーについて「できる限り独創的にしたかった」と話しており、そんなハウアーが冒頭シーンで見せたアドリブの演技をハウエルが興奮気味にふり返る。
それは車に乗せたヒッチハイカーが危険な人物だとジムが気づくシーンで、殺人鬼ジョンがジムの目元に突きつけたナイフで涙をすくう演出は、台本にはなくハウアーの即興だったとか。観る者のみならず共演者のハウエルも当時心を奪われたアドリブ演技には注目。
メガホンをとったのは本作で監督デビューしたロバート・ハーモン。殺人鬼の動機や人物背景などをほぼ排除し、彼らの置かれた状況だけを綿密に描くことで登場人物の本質をにじませていく演出が光っており、J・J・エイブラムス監督は『10 クローバーフィールド・レーン』製作時に本作の影響を受けていることを明かしている。
撮影は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョン・シールが担当、盛大に横転する車や燃え上がるヘリコプターなど、サービス精神旺盛な場面が多い上、霧の中に佇む怪しげなヒッチハイカーや人影もなくどこか不安を煽る広大なハイウェイなど、ハッとするほど美しい場面もあり、どのシーンも見どころだ。