2021年6月23日 16:00
コロンビア内戦下、ゲリラ組織の10代たち描く『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
第92回米アカデミー賞国際長編映画賞のコロンビア代表となり、ギレルモ・デル・トロ監督やアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督からも絶賛された映画『MONOS』が、邦題『MONOS 猿と呼ばれし者たち』として10月より日本公開が決定した。
南米の山岳地帯、世間から隔絶された高地で暮らす8人の子どもたち。ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームは“モノス”。「組織」の指示のもと人質のアメリカ人女性を監視し、厳しい訓練で心身を鍛える一方で、恋をし、仲間の誕生日を祝い、10代らしく無邪気に戯れる日々を送る。しかし、「組織」から預かっていた大切な乳牛を仲間の1人が誤って撃ち殺してしまったことから、亀裂が生じていく。
時を同じくして、敵からの激しい襲撃を受けた彼らは、ジャングルの奥地へと身を隠すことに。仲間の死、裏切り、そして人質の逃走…。極限の状況下、“モノス”の狂気が暴走し始める。
ボリビア初の先住民族出身の大統領エボ・モラレスのドキュメンタリー『コカレロ』(07)や、下半身不随になった男性の実話を映画化した『ポルフィリオ』(11)で注目を集めるコロンビアの新鋭アレハンドロ・ランデスが監督をつとめる本作は、50年以上続いたコロンビアの内戦を背景に、暴力の絶え間ない脅威にさらされる世界と、そこに生きる若者たちの葛藤や焦燥、炙り出される人間の本質を大胆に描いたサバイバル・オデッセイ。