世界の映画館vol.35〜アジアの旅〜 チョウ・ユンファの吹き替えは誰がやる?
彼女は中国語で話しかけてきた。中国語が話せないんですと片言の英語で言うと彼女の眼がきらりと光った。
「Where are you from?」
きれいな英語だった。もちろん「Japan」と答えた。今から考えると「ドラゴンボール」の生まれた国からやってきたんだぞという自信ありげな「Japan」という言い方だったかもしれない。
「I like Japan」
そう言って彼女はマクドナルドの袋からポテトを取り出し、一緒に食べましょという感じで話し始めた。僕はほとんど英語ができないので、こういったコミュニケーションが苦手なのだ。場内が早く暗くなることを祈った。
願いが通じたのか僕がポテトを一本だけいただいたところで場内はすぐに暗くなった。
映画『DRAGONBALL EVOLUTION』は20世紀フォックス側が作品の仕上がりに満足しておらず、お蔵入りする可能性があるといううわさが流れていた。そういう目で見ていたからかもしれないがいま一つストーリーに集中できず、亀仙人の役で登場するチョウ・ユンファの中国語の吹き替えって誰がしているのだろうなどということを思った。自分の国の言葉をほかの人がするというのは俳優自身にとってはどういう感じなのだろう。