『シャネル&ストラヴィンスキー』アナ・ムグラリス 「No.5」がもたらしたもの
と断言する。
「シャネルというメゾンは、ファッションだけでなくフランスの歴史や伝統を引き継いでいる、という点でほかのブランドとは違います。シャネルが押し出している女性像は、近代的なものであり、ココ・シャネル亡き後も、彼女の後進のデザイナーたちは、新たなデザインの発表に際し、常にココが生きていた頃に対する目配りというのを決して忘れることがありません。歴史の積み重ね…私自身、シャネルと長く仕事をする中で自分の中に積み重ねができてきたと感じていました。監督から言われたのは『彼女のエスプリを表現してほしい』ということ。(ミューズを務めてきたことは)まるで今回の役のために何年間も準備してきたようなものね(笑)。役どころや作品のテーマを含めて、すでに多くを理解していたし、だからこそ自由に演じることができたと思うわ」。
製作過程で衣裳に関してアナが監督に提案することもあったとか。
「ココ自身、すごく多様なスタイルを自分の服に取り入れてる。それを映画でも表現したかったの。それから、前衛的なシーンでは、その時代の一般的な女性よりもスカートの丈をずっと短くしたりね。ただ、この映画に関してはファッションの部分よりも演技面について監督と話をすることが多かったわ。