『シャネル&ストラヴィンスキー』アナ・ムグラリス 「No.5」がもたらしたもの
「彼女は厳しい人…自分にも他人にもね。功績を見ても、彼女が強くなければそんなことはなしえなかっただろうと思うわ。見方によっては残酷だったと思う人もいるかもしれない。でも、その“強さ”がどこから来たのかを考えたとき、いまになって思うのは、彼女は内面的な脆さから自らを守るために、そうした“よろい”を身に着けなくてはならなかったのではないか?ということ。彼女は、間違いなく男社会の中で時代を切り拓き、それは現代にも多くのものを遺したんです。フランスで女性が選挙権を手にしたのは1947年。スイスでは71年。日本も戦後だと聞いています。
それだけのことでも、何世紀も経っていない、“ほんのつい最近”なのよ。いまなお、女性が置かれているのは“男社会”。そんな状況を考えた上で、私自身、権利を主張し発言できる場に身を置いて、意識しながら女優の仕事をしていきたいわ」。
そう語る彼女は男よりも強く凛々しく輝いていた。
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シャネル&ストラヴィンスキー 2010年1月16日よりシネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
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