鬼才ギリアムを虜にしたミューズ、リリー・コール 彼女が見る“鏡”の中の世界は…
すごく助かったのは、ヴァレンティナが普通に生活しているとき、ステージ上で出し物を披露しているとき、鏡の中の世界に入ったときと、シーンごとに全て衣裳が違ったこと。彼女のいろいろな面を演じる上で、とても役に立ったわ。着物を着たりもしたし、世界中のファッションを一気に堪能できたようなものね。ただし、唯一着心地が悪かったのは、ワイヤーに吊られるときのハーネス!空中を飛ぶシーンでつけたのだけど、すごく大変だった(笑)」。
そのほかにも、リリーは撮影中に大変な経験をしている。「撮影するのに、夜のロンドンは寒すぎるわ」と笑った後、「もちろん、ヒースの死が一番辛かった」と真剣な面持ちで自ら明かしてくれた。撮影中に急逝したヒース・レジャーは、ヴァレンティナが心奪われる謎の男・トニーを演じている。
「私たちは彼の死を乗り越えるのにとても苦労したと思う。
ヒースは本当にエネルギッシュで、彼のアドリブを受け、ほかの出演者たちもついついアドリブで応戦してしまうような楽しい現場だったの。彼とのシーンで思い出深いのは、橋から首を吊られていた彼を救い出す冒頭のシーンね。あとは、ヒステリーを起こした私が、彼を蹴ったりして大騒ぎするシーンも好きよ(笑)」。