『ボーイズ・オン・ザ・ラン』峯田和伸インタビュー さらけ出す男の矜持!
という答えが返ってきた。
「僕には自分の表現したいもの…バンドという存在があったけど、田西はそれを見つけられないまま生きてきた。それが、ちはる(黒川芽衣)という自分にとっての“夢”ができて、それを追いかけるようになる。峯田和伸は、田西よりも小器用で、妥協するところもきっとあると思うんですよ。でも、田西にはそれがなくて、向こう見ずのまま、迷惑を掛けながら突っ走る。そこは憧れですね。僕は、松田龍平くんが演じた(敵役の)青山にも共感できるんです。僕自身、1回きりで女の子捨てた経験もあるし…だから僕は田西になれない。
その分、憧れておれの分まで頑張ってくれ、と思うんですよね」。
田西を演じる上で、オファーが届いたときから撮影を終えるまで、あえて原作を一度も手に取らず、脚本と監督との話し合いの中で役を作り上げていったという。
「原作の中の田西を意識したら、原作は超えられないし映画化する意味はない。監督とは『僕らの“ボーイズ・オン・ザ・ラン”を作ろう』という話をしました。原作ではこのシーンで、田西はこういう表情してた、とかいうことが頭に入ってくると本番で身動きが取れなくなってしまうし、嘘になっちゃうんですよ。