くらし情報『『食堂かたつむり』富永まい監督インタビュー リアルとファンタジーの間にある愛』

『食堂かたつむり』富永まい監督インタビュー リアルとファンタジーの間にある愛

現実と、おとぎの国の境目の場所のような…どこかメルヘンチックな世界観が本作の魅力。この部分を魅力的に感じられるのは、何より登場人物の佇まいや関係性、距離感といった部分のリアリティあってこそ!
「ファンタジーって、架空の世界だから“何でもあり”ってなりがちですが、だからこそ、リアリティがないと誰にも信じてもらえない。優秀なファンタジーほど、リアルにできているものだと思います。ハリウッドと違って、全てを作りこんで世界を作ることは不可能だから、日本のどこかの風景を使うことになる。その実在の風景の中で、架空の物語が展開して、でもそこに登場する人物は生きていて、血が通ってないといけない。脚本をお願いする段階から、そこのバランスは考えてました」。

では、物語の根幹を成す2つのテーマ、“食”の部分と“母と娘の関係性”という部分については?
「まず、原作を読んで純粋に、“生きるということは命をもらうということ”というシンプルなメッセージが心にあった。そこに尽きるな、と。
母と娘の部分に関しては、私が母親ではないので、娘の視点の方が近いというのはあります。ただ、私自身、母が自分に“無償の愛”を注いでくれたという実感を持ってる。

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