2021年12月14日 12:00
ヌーヴェル・ヴァーグの傑作『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』同時上映決定
色味は撮影の故ラウル・クタールが監修した2009年のレストア版を模範とし、サウンドもオリジナルネガから起こしてレストアの最終的な決定版を作り上げた。
一方、『気狂いピエロ』は、35歳のゴダールが、長編10作目で生み出したヌーヴェル・ヴァーグの最高傑作。目くるめく引用と色彩の氾濫、そして饒舌なポエジーと息苦しいほどのロマンチスムに溢れ、映画史に名を残す名作だ。『勝手にしやがれ』以来の盟友である撮影のラウル・クタール、ゴダールのミューズでありながらゴダールと離婚したばかりのアンナ・カリーナ、『勝手にしやがれ』で大スターになりこの映画でゴダールと決別することになるベルモンド、各自がキャリアの臨界点で燃焼しつくした奇跡的作品である。
ところが、公開当時のマスターポジは消失、インターネガも劣化のため1990年に廃棄されていた。今回上映されるのは、撮影ネガをデジタル化して新たなマスターネガを作成し、サウンドの磁気素材も紛失していたので当時のプリントから新たな音ネガを復元し、鮮やかな色と音を可能な限り蘇らせた2007年2Kレストア版となる。
また、今回の上映のために新たなメインビジュアルも解禁。『勝手にしやがれ』は、マルセイユからパリに逃走してきた男(ジャン=ポール・ベルモンド)