2022年3月25日 18:00
『ジョーカー』のアーサーと共通点も…ロバート・パティンソンらが語る『THE BATMAN』
と意味深に語る。
ペンギンを演じるコリン・ファレルが「これまで語られてこなかったバットマンや街(ゴッサム・シティ)の過去が明かされる」と話し、バットマンと敵対する知能犯・リドラー役のポール・ダノ、バットマンと共に戦うゴードン警部補役ジェフリー・ライトや執事アルフレッド役のアンディ・サーキスもそれぞれ本作が非常にエモーショナルな物語であることを証言している。
本作の魅力は、ヒーロー映画の枠を超えて、バットマンとしては2年目で未完成のブルース・ウェインの心情を深く抉り出した人間ドラマである点だ。幼い頃に両親を殺されたブルースのトラウマは、やがて社会に対する復讐心となって彼の心を支配する。正義の名の下に、街を徘徊し悪を倒す際、ブルースの振り上げる拳には孤独感や喪失感、そして自身の中で偶像化された父トーマス・ウェインへの想いが溢れ出している。
犯罪が後を絶たないゴッサム・シティをクリーンにすべく市長選に出馬した父親への思慕、父親の不在がたえず彼に影を落とし、社会に対する復讐心が狂気へと向かわせるブルース。その姿は、見えぬ父を求め、同じく腐敗したこの街で社会的弱者として扱われ続け、絶望の淵から狂気へと自ら身を投じた男、映画『ジョーカー』のアーサーの姿とも重なる。