2022年7月20日 21:00
モノクロで描かれるエストニアのダーク・ラブストーリー『ノベンバー』10月公開決定
2000年に発表されるや、エストニア内の全図書館において、過去20年間で最も貸し出された本としてカルト的ベストセラーとなる。現在では、フランス語、ポーランド語、ノルウェー語、ハンガリー語、ラトビア語、ロシア語に翻訳されてヨーロッパ各国で愛読されている一冊だ。
「ノベンバー」原作書影
監督のライナー・サルネは“全てのものには霊が宿る”というアニミズムの思想を基に、異教の民話とヨーロッパのキリスト教神話を組み合わせ映画化。撮影監督のマート・タニエルが夢のようなモノクロームの世界を撮影し、その独創性に溢れた映像美が高く評価された。
儚い恋心に揺れる農家の娘リーナを演じるのはレア・レスト。喜びと、ほろ苦さと、痛みなど、複雑なキャラクターを魅力的に演じ切り、本作を別次元の作品に導いた。
男爵の謎めいた娘には、パフォーマンス・アーティストとして活躍するジェッテ・ローナ・ヘルマーニスが扮し、そのエキゾチックな容姿で無垢なる役柄を演じ、彼女の記念すべき女優デビュー作となった。
この2人の美しいゴシック・ヒロインの気を引こうとする農家の青年ハンスにヨルゲン・リイイク。憂鬱な表情を浮かべては、愛に満ちた笑みを浮かべ、ストーリーを思いがけない方向へ誘う。