不安と楽観が入り交じる『ピンク・クラウド』映像公開 円城塔ら寄稿の豪華パンフレット発売も
アニメ「ゴジラ S.P」のシリーズ構成・SF考証・脚本・小説版も手がけたことが記憶に新しい芥川賞作家・円城塔のコメントに加え、映画『ピンク・クラウド』をモチーフにした小説を書き下ろしたほか、ミュージシャンとしても活動する精神科医・星野概念と、星野氏のの著書に影響を受けたという気鋭のアーティスト・雪下まゆの対談が実現。また、邦訳書としては異例の大ヒットを記録したルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」の訳者としても知られる翻訳家・岸本佐知子が、より深く映画の世界を味わうためのブックガイドを寄せた。人気イラストレーター・三好愛と、インタビューエッセイ「沼で溺れてみたけれど」著者のひらりさがエッセイを書き下ろした。
世界的なパンデミックとの偶然の重なりによって自らの体験と切り離しては語れない本作だが、「あなたにとってのピンクの雲が何かを考えてほしい」というイウリ・ジェ ルバーゼ監督のメッセージのように、映画の世界に思いを馳せることができるものとなっている。
円城氏は「人恋しくないわたしには、それは理想郷のようにも見えて、現実のごとく息苦しい」と語り、岸本氏は「限られた空間に閉じこめられ、濃すぎる関係に窒息していく金魚鉢の金魚たち。