『春との旅』徳永えり 「仲代さんとは祖父と孫の関係で芝居で繋がってました」
「基本的に、幸の薄い女の子を演じることが多いんです」と苦笑交じりに語るが、ここ数年で自らに訪れた変化や成長についてこう表現する。
「大きく変わったな、と思える部分はありましたね。毎回、何かしらつまづく瞬間はあるんですが、その中でも役の幅が広がってきたのかな、と。『うた魂♪』など学園ものがしばらく続いていた時期があったんですが、その後、制服以外をやってみたいと思ったんです。そうしたら、今度は妊婦や母親の役が増えたんです。でも、その中で限界を感じる部分があって、『ノーボーイズ、ノークライ』で3人の子供がいる役をやったとき、どれだけ作りこんでも、母親でない私には“なりきる”ことはできないって気づいたんです。母親って“顔”に出るんですよ。そこから意識が変わりましたね。
『なりきれないなら近づくためにどうしたらいいのか?』って」。
いま、演じることは楽しい?
「『楽しくなさそうだなー』って見えますか(笑)。そうですね…簡単に『楽しい!』って言えなくなったというのはあります。いままでのように“感じるまま”だけではダメだって気づいて、じゃあその先に何があるのか?って考えるようになりました。計算を解くような感覚もありますし、脚本に書いてないことを埋めていく作業はすごくしんどいですよ!でも、そこに気づいたら、やっぱりしっかりとやりたいんです。