スピルバーグの母リア・アドラーがモデル『フェイブルマンズ』ミシェル・ウィリアムズに注目
スティーヴン・スピルバーグが“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描いた『フェイブルマンズ』。本作で、スピルバーグ監督の母リア・アドラーをモデルにした自由奔放で芸術家気質の主人公の母・ミッツィを好演、計5度目のアカデミー賞ノミネートを果たしたミシェル・ウィリアムズに注目した。
本作で映画制作に没頭し、映画監督になる夢を追いかける主人公サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)の母・ミッツィを演じるのは、本年度のノミネーションを含め、計5回もアカデミー賞ノミネートを果たしているミシェル・ウィリアムズ。
今回ミシェルが演じるミッツィはスピルバーグの母リア・アドラーがモデルとなり、芸術を愛する洗練された音楽家でありながら、家庭を築くためにコンサートピアニストへの道を諦めた女性。サミーの映画制作をあくまで趣味の一環として捉えている夫・バート(ポール・ダノ)とは対照的に、息子の映画への興味を賞賛し常に応援し続けている。
ミッツィはサミーを含む4人の子どもたちとバートのことを心から愛していたが、舞台となった1950年代~60年代に多くの女性がそうであったように、社会の期待や規範に合わせて母や妻として家庭を守るために自身が築き上げてきたピアニストとしてのキャリアを諦め、野心や欲求を何とか昇華させていた。