天才にしてストイック、傲慢、そして繊細な指揮者を、ケイト・ブランシェット主演で描いた驚愕のサイコスリラー『TAR/ター』。この度、本作をケイトのために書き上げたと言うトッド・フィールド監督のインタビューがシネマカフェに到着した。
フィールド監督は、ケイトは「唯一無二の存在」で「もし断られたとしたら、きっとひどく落胆したでしょうし、本作を作ることはなかったでしょう」と断言、「これまで、特定の俳優のために脚本を書いたことはなかった」という。
しかし「何年も前にもケイトに主演してもらいたかったプロジェクトがあり、ケイトと長いミーティングを設けたが実現せず」だったとふり返り、「ただ、そのミーティングで私の知るところとなったのは、彼女が我々の時代の偉大な知識人の一人だということです」とフィールド監督。

「彼女の素材の見方、それについて話す様子は、演者が役について語るのを遥かに超えています。総括的に全体を見ているのです。彼女との対話は素晴らしいものです」とその理由を語る。
リディア・ターという稀有なキャラクターを演じるにあたって、指揮のみならず、ピアノでバッハを演奏、ドイツ語とアメリカ訛りの英語を話す、スタントドライブという、あらゆる高度なスキルを撮影までに習得する必要があったケイト。