ケネス・ブラナー、特殊メイクでコロナ禍の英首相になりきる「This イングランド」
特に首まわりのパーツは人工皮膚をなじませて、つなぎ目が分からないようにするのに時間がかかったそう。
そんな特殊メイクでの撮影について、「ボリスの上唇はかなり厚みがあるので、新しい唇をあつらえてもらった。とても見事な出来栄えだったが、それを付けている間の食事はスープだけだった。あのパーツは、“咀嚼可能な世界”にいさせてくれなかったんだ」と苦労をふり返る。
また、撮影現場では本物のジョンソン英首相と勘違いしてしまったスタッフもいたらしく、「例えば、現場に新人のスタッフがいたとき、トイレから出てきた私をボリスだと思って口をあんぐり開けていた。その瞬間、“ああ、自分はボリスだった”と気付かされるんだ」とリアルすぎたエピソードを明かす。
「ボリスの格好をしていないときに、誰にも会わなかった気がする。だから、誰とも世間話はしなかったね。いったん撮影が始まったら、その日はボリス・ジョンソンとして過ごした。誰よりも早く現場にいて、誰よりも遅く帰っていたよ」と語るブラナー。本作ではその見事な変貌ぶり、完成度の高さも堪能できる。
本作において「さまざまな社会層が織り交ぜて描かれていることにとても心を引かれた。