ブレンダン・フレイザーが本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した『ザ・ホエール』。本作で同助演女優賞へノミネートを果たしたホン・チャウに注目した。
ホン・チャウは、ベトナム難民の両親のもとタイの難民キャンプで生まれ、アメリカへ移住。ボストン大学で映画学を専攻し、脚本を書きながら役者の道を志したという。
長編映画初出演はポール・トーマス・アンダーソン監督による『インヒアレント・ヴァイス』(14)。その後、長編2作目の出演となったアレクサンダー・ペイン監督作『ダウンサイズ』(17)で絶賛を浴び、数々の賞にノミネート。
ドラマ「ウォッチメン」などの出演を重ねる中、本作で『ザ・ホエール』で本年度アカデミー賞助演女優賞に初ノミネートを果たし、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンらとともに、アジア系俳優の1人として注目を集めた。

ダーレン・アロノフスキー監督は彼女の起用理由について「『ダウンサイズ』で初めて知りその演技に心を奪われた」と後に語っているが、フィルムメイカーの中ではすでに彼女の存在は知れ渡り、その間参加してきた作品群は、これからリリースラッシュとなりそうだ。