クィア・シネマの研究者・菅野優香の新刊発売 ドラン&シアマから美輪明宏論、原節子論まで
「クィア・シネマ・スタディーズ」などの編著や共著、雑誌などで、クィア・シネマの可能性を日本に紹介してきた気鋭の映画研究者・菅野優香による単著デビュー作「クィア・シネマ世界と時間に別の仕方で存在するために」が発売された。
本著では、ジェンダーやセクシュアリティ、人種に対する規範や制度を問い直し、家族主義や都会主義に抗い、直線的な時間に逆らって歴史を書き直す。アルフレッド・ヒッチコック、オードリー・ヘプバーン、ジュディ・ガーランド、グザヴィエ・ドラン、セリーヌ・シアマ、田中絹代、三池崇史、美輪明宏、原節子、高倉健まで、作家、スター、作品のみならず観客やコミュニティを縦横に論じる映画論。
ジェンダーやセクシュアリティ、人種、コミュニティの規範や理想を強化しつつ、教育的な役割も担ってきたシネマ(映画)。そこで生まれた「常識」や「当然」を疑うことによって、慣れ親しんできたアイデンティティやカテゴリーを問い直し、「異なる」欲望や「非規範」的な関係の可能性へと導くものこそがクィア・シネマ。
4部構成による本書は、常識や当然に抗うクィア・シネマの「雑種」で「不純」なあり方を体現する。
第1部「映画文化とクィア・スタディーズ」では、クィア・シネマの歴史や横断性、クィアの理論と歴史を俯瞰する。
ジュディ・ガーランドといった黄金期ハリウッドのスターから、グザヴィエ・ドランやセリーヌ・シアマといった近年の注目監督まで、アメリカおよびフランスのスターや映画作家、映画作品のわたしたちが知っているあり方とは「別」のあり方を提示する第2部「クィア・シネマの再発見」。
第3部「クィア・シネマとスターたち」は美輪明宏や原節子、高倉健といった映画スターたちと、そのファンやファンたちのコミュニティを取り上げ、雑種性が強く表れた日本映画を扱う。
そして、1970年代のフェミニスト映画運動や日本で開催されるクィア・LGBT映画祭を深く掘り下げ、映画とコミュニティの関係を地域性を絡めつつ論じる第4部「クィア・シネマと上映空間」が最後を飾る。作家論やスター論、作品論のみならず、観客論やコミュニティ論も入り混じり、クィア・シネマの射影の広さが感じられる構成になっている。
第1部のうちの2章と、黒人レズビアンをテーマにした初めての長編劇映画とされる『ウォーターメロン・ウーマン』を論じた章の計3本の書き下ろし論考を収録。また英語で発表した美輪明宏論と原節子論の邦訳も収められている。
「クィア・シネマ世界と時間に別の仕方で存在するために」は発売中。
本体:2,800円+税刊:フィルムアート社
(text:cinemacafe.net)
提供元の記事
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