『続・荒野の用心棒』を現代リメイクした女性監督、「ジャンゴ」は「フェミニズムかつ現代的で心理的な西部劇」
ジャンゴことジュリアン・ライト(マティアス・スーナルツ)を主人公に、人種問題以外にもLGBTQのキャラクターの登場や、権力者としての女性、有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)といったジェンダー問題など、現代的なテーマを盛り込んでいる点がこれまでの西部劇とは一線を画し、大きな見どころとなっている。
「『ジャンゴ ザ・シリーズ』は、“不敬”と“自由”という西部劇の伝統を継承しつつも、これまでにないマカロニ・ウエスタンになりました。私はこのシリーズで新しい挑戦をしたいと考えました」と監督は言い、「この中で、西部を舞台に豊かで輝かしい家族の物語を描く、というアイデアはまず一番に挙げられる革新的な要素であり、イタリアらしいアイデンティティもあると思いました」と続ける。
さらに「この男らしさを象徴するようなジャンルに女性の視点を取り入れることは非常に重要なことだと確信もしていました」と付け加える。
「このシリーズは父親の姿を描いていますが、そこにあるのは贖罪を求める親としては失格の父親の姿です。これは父権的で男性主体である西部劇のスタイルに対する挑戦でした。西部劇における男性の描き方を変えていくことが、家族とは本当のところ何なのか?家族の絆とは一体何でできているのか?果たして家族とは一体どんな救済や天罰をもたらすのか?など、どんな家族の物語を描くことも可能にしていくのです」