2023年9月12日 15:51
濱口竜介監督「背中を押された」と喜びの声 最新作『悪は存在しない』でヴェネチア銀獅子賞
最新作『悪は存在しない』(英題:Evil Does Not Exist)が第80回ヴェネチア国際映画祭「銀獅子賞(審査員大賞)」を受賞した濱口竜介監督が9月12日(火)、日本外国特派員協会で報告記者会見を行った。
本作は、音楽家・シンガーソングライターの石橋英子から、ライブパフォーマンスのための映像を依頼されたことから始動しており、「何もないところから始めた企画を認めていただき、『これからも地道にやっていきなさい』と背中を押された気分」と喜びを語った。
その上で、「摩訶不思議な始まりの映画。体験したことのないような映画製作ができた」と本作が生まれた過程をふり返り、「石橋さんとは、まるで手紙のように、音楽と映像のやりとりをし、本当に音楽的セッションしているような感覚だった。不確かな旅に付き合ってくださった方々に感謝したい」と異色のコラボレーションを語った。
「疲れていた自分にとって、回復のプロセスだった。アウトプットだけではなく、インプットできる映画製作が必要だった。
結果的に『悪は存在しない』はそういう作業になった」(濱口監督)
濱口竜介監督
わずか3年弱で、映画『偶然と想像』で第71回ベルリン国際映画祭の審査員グランプリ(銀熊賞)