2023年10月22日 13:00
『火の鳥 エデンの花』手掛けるSTUDIO4°Cとは?稀代のアニメーションスタジオの魅力を紐解く
この作品でキャラクターデザイン・総作画監督・絵コンテ(共同)を務めていたのが、本作の監督であり絵コンテやキャラクター原案も手掛けた西見祥示郎。湯浅政明監督の初長編監督作『マインド・ゲーム』にてミュージカル・シーンの原画を手掛けて以降、STUDIO4°C作品に数多く参加している。
西見氏の監督起用について、STUDIO4°Cの代表であり本作のプロデューサーを務める田中栄子は、「西見さんが持つアーティスティックな感性が、同じくアーティストである手塚治虫先生の感性と掛け算したら、すごく面白くなるんじゃないかと思いました。西見さんは独特のデザインセンスと演出力で、デフォルメされたキャラでも実に生々しくリアルに動かすという特別な才能を持った人ですから」と太鼓判を押す。
また、企画立ち上げの経緯について田中氏は、「手塚治虫という世界的巨匠の作品を、STUDIO4°Cで映像化したい、自分の手で世に送り出したいと思ったのがスタートです。“なんで今、手塚治虫なの?”と周りから聞かれることも多かったけど、とにかく私が作りたかったから!としか言いようがないんですよね」と手塚作品への実直な想いを語る。
さらに本作は、3人の監督を立てて、復活編・未来編・望郷編の3部作とする予定だったようだが、結果的に今回の望郷編だけが企画として残ることとなった。