2023年10月29日 14:00
フランソワ・オゾン監督「女性たちが生き抜いていく姿を描きたい」『私がやりました』にコメント
フランソワ・オゾン監督が“『8人の女たち』『しあわせの雨傘』に続く、女性の人生を魅力的に探究したトリロジーの最終章”と定義している最新作『私がやりました』。クライムミステリーでありながらコメディ要素が強く、誰もが楽しめるエンタメ作品である本作の製作の裏側を明かすフランソワ・オゾンのコメントが到着した。
まず企画の成り立ちについて、「映画の企画を考えていた当時は、コロナ禍のロックダウンやウクライナでの戦争などで社会が落ち込んでいる時でした。厳しい現実と戦うためにも、気まぐれさや明るさが必要な時代だと思ったんです」と監督。「だから僕は、自由な登場人物たちが、テンポ良く気の利いた会話を繰り広げ、どんどん事件が展開していくコメディを描こうと思い付いたんです」と、時代のニーズにあわせた作品を提案したと明かす。
物語のアイディアを得たのは、1930年代に書かれた戯曲から。大まかな筋書きは戯曲を活かしつつ、現代性を反映し“オゾン流”に脚色しており、その理由を「登場人物や細かな設定は新しく加えたけれど、女性が抱える問題に関しては1930年代の文脈を保ったんです」と言う。
そして「男性社会に抑圧されていた女性たちを描いていたら、現代にも通じる問題にたどり着いたからね」