ドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜ描く『助産師たちの夜が明ける』公開
脚本執筆にあたっては俳優と助産師が共に参加するワークショップを行い、俳優たちが助産師の話を基に即興でシーンを作っていくという手法をとった。
これを基に『みんなのヴァカンス』(ギョーム・ブラック監督/2020年)、『よりよき人生』(セドリック・カーン監督/2011年)や初長編監督作『愛について、ある土曜日の面会室』などでも脚本を手掛けたカトリーヌ・パイエとフェネール監督が脚本を共同執筆した。
撮影には6つの病院が使われ、助産師たちが俳優に技術的指導や医療手順の説明、脇役まで務めるなど全面的な協力が得られた。出産シーンの映像は、実際にこれから出産する産婦と家族の許可を得て、「絶対に出産を妨げない」と助産師にも了解を得た上で撮影された。実際に俳優たちが出産や赤ん坊の蘇生現場という難しい場面に立ち会うこともあったという。
物語にリアリティーを与えるべく、出演する多くの俳優たちは、映画への出演経験の少ないフランス国立演劇アカデミーの学生たちを抜擢したほか、Netflix映画『危険な関係』にも出演したエロイーズ・ジャンジョー(ルイーズ役)を筆頭に、ベテラン助産師役のベネを『その手に触れるまで』『チタン/TITANE』などのミリアム・アケディウが演じている。