小泉今日子「とても丁寧に素敵に描かれている映画」『とりつくしま』9月公開 予告編到着
でもなんだか見えないからこそ想像して微笑ましくもありました。きっとこういうことなんだろうなと思いながら、脚本や撮り方に活かしました。
私なりのモノの眼差しや、日常のおかしみも込めています。
本公開ができること、心からうれしいです。
大切な人や、見守ってくれているかもしれないモノたちを想いながら観ていただけたらしあわせです。
たくさんの方に届きますように。
東直子(原作)
『とりつくしま』は、魂がとりついた「モノ」が主人公だけに、映像化は難しいだろうなと思っていました。でも、役者さんの繊細な表情や声に寄り添うやさしい映像に、自分でも驚くくらい自然に入り込んでいました。
亡くなった人の心を想像しながら書いていた時のことをずいぶん思い出しました。ついでに、かほりが生まれてから今日までのことも、ずいぶん思い出しました。
映像を通して生と死を疑似体験することで、生きることにも、死ぬことにも、少しだけ心を楽にしてくれる、そんな映画になったのではないかと思います。
私はいつかこの映画を「とりつくしま」にして、未来の観客の魂に寄り添ってみたいです。
小泉今日子(“とりつくしま係”役)
父親の葬儀が終わり、娘である私たち三姉妹が火葬場へ向かう黒塗りの車に乗り込むと、なぜか私の目の前に西陽を浴びて金色に光る小さな蜘蛛が糸を伝って降りてきた。