『エマニュエル』『山逢いのホテルで』ほか、この冬堪能したい女性の目覚めを描いた映画3選
日本でも一大ブームを巻き起こした大ヒット作が50年ぶりに完全新作として蘇る。
メガホンをとったのは、前作『あのこと』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、リュミエール賞作品賞を受賞し、英国アカデミー賞、仏セザール賞の監督賞にノミネートされ、フランス映画界で最も重要な存在の1人となったオードレイ・ディヴァン。舞台を現代に移し、観る者にめくるめく興奮と陶酔、さらには幸福感までも与えるエロティシズムを、大胆かつ刺激的に描き切った。
『あのこと』では、堕胎の“痛み”を観客に体感させたオードレイ・ディヴァンが、本作で挑むのは“快感”。いかにして映像作品で観客に体感させるか、音、色彩、台詞の抑揚など細部まで綿密に計算し尽くし、新たな映像表現の可能性を堪能できる力作となっている。
主人公エマニュエルを演じるのは、『燃ゆる女の肖像』『TAR/ター』など多くの話題作で忘れ難い輝きを放ったノエミ・メルラン。リアルな人との関わりが極端に少なくなった現代を生きる女性が、人間の欲望に果敢に向き合っていく様を、脆さと強さをもって見事に体現している。
コロナ禍を経た現代だからこそ生まれ、共感を誘うエマニュエルの新たな目覚め。