「そう、登場人物たちの淡々としたやり取りに味わいがあってすごく気に入りましたね。芝居を楽しめそうだなって。(自身が演じた)隆太は無口で、将来のことなんて何も考えてなさそうな高校生という印象でした。まあ実際は何も考えてないわけじゃないんだろうけど、傍からに見ると『こいつ、何考えてんの?』って感じの。不良ってわけでもなく、グループでつるんでる感じでもなく…一番やっかいなタイプですね(笑)」。
村井さん自身が高校を卒業して数年が経つが、自身の経験や思い出を役に取り入れたりも?
「最初が高校でのシーンだったので、リアル高校生と並んで立っていると『あぁ、こんな感じ!』って思い出されるものはありましたね。僕の高校時代ですか?悩みもなく目標もやりたいこともなく、という感じで(苦笑)、そういう意味では隆太とは似ていますね。まあ、ここまで無気力じゃなかったですが…」。
そんな隆太だが父親を突然なくし、そして主人公の悩める僧侶・浄念と関わりを深めていく中で徐々に変化し、グッと大人びた表情を見せるようになる。では、“悩みも目標もない高校生”だった村井さんは何をきっかけに変化し、この俳優という仕事に没頭するようになったのか?
「大学に行くとかいう目標もないままに高校生活送ってて、いまの事務所に入ったときに、俳優になりたいとは思ったんです。