くらし情報『理研、安定なベンゼンの炭素-炭素結合を室温で切断』

2014年9月1日 13:10

理研、安定なベンゼンの炭素-炭素結合を室温で切断

理研、安定なベンゼンの炭素-炭素結合を室温で切断
理化学研究所(理研)は8月28日、多金属のチタンヒドリド化合物を用いて、安定なベンゼンの炭素-炭素結合を室温で切断することに成功したと発表した。これにより、従来困難とされていた、芳香族化合物の炭素-炭素結合の切断を使った新しい物質変換反応の開発への寄与が期待できるという。

同成果は、同所 環境資源科学研究センター 先進機能触媒研究グループの侯召民グループディレクター、島隆則上級研究員、胡少偉特別研究員らによるもの。詳細は、科学雑誌「Nature」に掲載された。

ベンゼン環を含んだ芳香族化合物は、石油やバイオマスなどの天然資源に豊富に含まれている。これら芳香族化合物の炭素-炭素結合の切断は、石油などの天然資源からガソリンや基礎化学品などを作る際に極めて重要な反応である。しかし、ベンゼン環は非常に安定で、その炭素-炭素結合を切断するには固体酸触媒を使って500℃程度の高温で行う必要があり、多くのエネルギーを消費する。さらに、反応プロセスは複雑で、目的外の化合物も複数生成する。
また、生態系の中には温和な条件でベンゼン環の炭素-炭素結合を切断する微生物も知られているが、そのメカニズムについて不明なことが多いのが現状である。

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