事例で学ぶiPhone/iPad活用術 (174) 建築業の工程管理にiPadとFileMakerを導入し工期を4週間も短縮
以前はホワイトボードに工程表を貼って、どの検査が終わったかを記入していた。これで大まかな仕事の進ちょくは追えるのだが、各工程の細かい作業や検査の実施については、それぞれの現場監督が自分の流儀に合わせて進めるのが現実だったという。
「どの作業をどの順番で実施するかは現場監督ごとにバラバラです。これは大手ハウスメーカーやゼネコンでも同じはず。建築業は工期が4~6カ月と長いので、最終納期さえ守ればよしとする考え方が強く、途中の工程は現場監督の裁量に任せた属人的な進め方になります。現場監督の業務スキル平準化や工期遅れの原因分析などは望めない状況でした」(森藤氏)
現場監督の業務を見える化、平準化するために導入された独自開発の工程管理アプリは、既存の工程表をiPadに取り込んで進ちょくを入力できるようにしたもの。縦軸に進行中の案件名、横軸に主要な工程がマッピングされ、それぞれについて「未実施」「実施中」「終了」の3つのステータスが日付入りで表示される。
現場監督の業務も担当する同社のフォアマン、早助政寛氏は工程管理アプリの運用について次のように語る。
「新しい物件を担当する現場監督は工程表と日程表を作成してアプリに取り込み、現場では日々の工程を完了する都度、iPadアプリからチェックを入れていきます。