事例で学ぶiPhone/iPad活用術 (174) 建築業の工程管理にiPadとFileMakerを導入し工期を4週間も短縮
こうして生まれた余裕は品質向上や工事原価の削減などに振り向けられる。
「工程管理をアプリ化するメリットの1つは、蓄積した過去データを分析して改善につなげられること。工期遅れの原因について、どの工程で、誰が、という側面から分析できるようになります。数字に基づいて話をすれば納得してもらえますが、根拠があいまいの状況で『遅いじゃないか』という話をすると、『いや僕だって頑張っています』という切り返しで終わってしまいます。工程管理ツールは工程ごとに区切られているので、工期を細かい数字で測れるようになります。この工程は平均すると何日で終わっているのに君だけプラス何日かかっていると数字に基づいて指摘できれば、次にはどうやって改善するかの話につながります」(森藤氏)
「そうしたサイクルがうまく回るようになれば、現在92日の工期はもっと短縮できますね」(早助氏)
○新人の育成やさらなるコスト削減も見据えて
同社の現場監督は現在4名で、そのうち1名は新人だが、新人教育にも工程管理アプリは活躍しているという。工程ごとにどの順番で何を実施し、どこを検査するかすべてiPadを見ればわかる。さらに、同社独自に作成していた施工手順書もマニュアルとしてアプリに盛り込まれているので、分からない部分はマニュアルページを開けばいい。