くらし情報『記憶の脳科学 (1) 低下したワーキングメモリ(脳のメモ帳)の機能は強化できるのか?』

2014年10月8日 12:00

記憶の脳科学 (1) 低下したワーキングメモリ(脳のメモ帳)の機能は強化できるのか?

という。会話したり、料理をしたり、買い物に出かけたりする行動のすべてでワーキングメモリを使っているのだと。

しかし、加齢に伴って著しく低下しているときには「イメージング」が効果があるそうだ。覚えるべき単語をイメージして下さいと伝え、絵に描いてもらった。その後では脳内でACCの活動しているのが見られるようになった。

イメージングするということは、「頭の中に表象を形成する訓練をする」ということ。その意味では本を読むのも効果的だ。またワーキングメモリで一度に情報処理できるのは3つと書いたが、その「3つ」はイメージ化によって充実させることが可能だ。
たとえばカレーの材料をじゃがいも、にんじん、玉ねぎと1つずつ覚えて「3つ」でなく、カレーをイメージ化することですべての材料を「1つ」にまとめて思い出せるようにする。そして楽しい目的を持つときも、ドーパミンが出てDSPFCが活性化するという。日常生活を楽しく送り、時々は好きな本を読み、余計なことに気を向けず、注意をやるべきことに集中する。これがワーキングメモリを鍛える方法の1つかもしれない。

写真出典

苧阪満里子著 「もの忘れの脳科学」講談社ブルーバックス、2014.
苧阪満里子著 「読書における文の理解とワーキングメモリー」
苧阪直行編『小説を愉しむ脳』新曜社、2014

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