くらし情報『京大、120年来の謎だった水の界面で起こる「フェントン反応」の機構を解明』

京大、120年来の謎だった水の界面で起こる「フェントン反応」の機構を解明

また四価鉄Fe(IV)=O中間体についても少し触れておくと、通常、鉄イオンは二価Fe2+と三価Fe3+のものが知られているが、短寿命な中間体として四価Fe4+を取るものも存在し、Fe(IV)=OはそのFe4+に酸素原子が結合したものを表す。またの名を「オキソフェリル中間体」ともいう。

話を戻すと、大気中の空気-雲の水滴界面や生体内での細胞膜-水界面など、我々の身の回りに多く存在している水の界面で起こっている界面フェントン反応は特に重要であると考えられる(画像2)。しかし、ナノメートルほどしかない極めて薄い水の界面に存在する化学種の反応を直接測定することはこれまで非常に困難であったため、その反応機構はまったくわかっていなかったというわけだ。

そこで研究チームは今回、気液界面に存在する化学種を選択的に検出できる新しい実験手法を用いて、研究を進めた。その結果、気液界面で起こるフェントン反応[Fe(II)+H2O2]、また「フェントン様反応」の[Fe(II)+O3]のメカニズムの解明に成功したのである。

「ネブライザー(霧吹き)」によって塩化鉄(II)(FeCl2)を含む水のマイクロジェット(液体の噴流)

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