日立、陽子線がん治療システムが医療機器の製造販売承認を取得
陽子線がん治療は、放射線によるがん治療法の1つであり、水素の原子核である陽子を加速器で高速に加速し、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するものである。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損なわないため、治療と社会生活の両立が可能であり、QOL(クオリティオブライフ)を維持しつつ、がんを治療できる先端の治療法として期待されている。一方で、脳の腫瘍のように動かない部位では、集中して照射するピンポイントの治療が可能だが、肺や肝臓のような体幹部の腫瘍は呼吸などで位置が変動するため、腫瘍位置をリアルタイムで捉えて正確に陽子線を照射する技術が切望されている。
今回、薬事法に基づく医療機器の製造販売承認を取得した「陽子線治療システム PROBEAT-RT」は、北大の持つ動体追跡照射技術と日立の持つスポットスキャニング照射技術を組み合わせた陽子線治療システムである。3月に承認を取得した、スポットスキャニング照射技術を搭載した陽子線治療システムに、動体追跡技術を組み合わせることにより、呼吸などで位置が変動する腫瘍に対しても高精度な陽子線の照射を実現し、正常部位への照射を大幅に減らすことが可能になる。
なお、北大と日立は、ガントリー・照射ノズル・加速器を小型化し、装置の機器配置を見直すことで全体をコンパクト化した、スポットスキャニング照射方式の治療システムによる治療を3月から開始しており、新しいシステムによる治療が、実際の医療現場で本格的に開始されることになるとしている。
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