曲芸師・ニック、なぜ命懸けで綱を渡るのか? 真意と宿命、家族の反応を探る
曲芸師のニック・ワレンダが3日(現地時間2日19:00~)、自身9度目の偉業に挑戦する。アメリカ・シカゴの高層ビル間の綱の上を命綱なしの目隠しで渡るというもので、その模様はディスカバリーチャンネルで3日午前9時から生中継されるほか、USTREAMでも生配信される。ニック自身も「今までで最も脅威を感じる」と不安を口にするほどの難易度だが、そもそも死と隣り合わせの綱渡りをなぜ続けるのか? 彼が背負う「空飛ぶワレンダ一家」の宿命、そしてそれを支える家族の姿を追った。
1979年1月24日に誕生したニックは、わずか2歳から綱渡りをはじめ、「どんな時でも綱をつかめ」と教え込まれながら綱と共に成長していった。曽祖父・カールの「人生は綱の上がすべてだ」という言葉を胸に、「一家の名に懸けて伝統を守りたい」という一心でこれまでグランドキャニオン、ナイアガラの滝など無謀ともいえる場所で、安全ネットや命綱に頼らずに渡り切り、8つの世界記録を樹立してきた。
「ワレンダ一家」を一躍有名にしたのが、カールが1927年に4人3層ピラミッドの綱渡りを成功させたこと。雑誌の「綱の上で逆立ちができる者」という公募に名乗り出たのがはじまりで、カールはそこで世界中に曲芸をアピールした。