2014年12月1日 06:00
福井県の食卓では"小さな座布団"が主役に!? 厚くてジューシーな油揚げの秘密
もちろん、煮付けや味噌汁、おでんの具になることもあり、家庭によってはカレーの具としても重宝されている。
○精進料理に欠かせない具材
実際、福井市は油揚げの消費量で全国ナンバーワンとなっている。総務省の「家計調査(2011年~2013年)」によると、油揚げ・がんもどき消費量は全国平均3,113円に対して、福井市は5,788円。2位の京都市(4,771円)に1,000円以上の差をつけた。ちなみに3位は隣の金沢市(4,555円)で、9位には富山市(3,741円)がランクインするなど、北陸は油揚げ文化が根付いていることが分かる。
しかし、なぜ福井県でここまで油揚げを食べる文化が根付いているのか。地元の方にうかがったところ、そのひとつの理由として「報恩講(ほうおんこう)」があるのではと言う。報恩講は浄土真宗の法要のひとつで、福井県は元来、浄土真宗の信仰が盛んなことでも知られている。
その際の精進料理に油揚げが使われていたことが、今日の食文化にも影響しているそうだ。○スーパーではいろんな油揚げが
では、福井県では一般的に知られている薄い油揚げはないのか? というとそうではない。一般的な油揚げは"うす揚げ"などと表記してスーパーなどで売られており、また、一般的な油揚げと区別するためか、"厚揚げ"と表記している油揚げもある。