2014年12月10日 06:00
パーキンソン病の2つの原因遺伝子が神経保護する仕組みを解明
同研究所はこのことから、ParkinとPINK1の働きには未解明のメカニズムがあるはずだと考え今回の研究を行ったという。
PINK1は、リン酸化する酵素(キナーゼ)でParkinをリン酸化することで活性化のスイッチを入れるという(※4)。同研究所が6月に発表した「ショウジョウバエ分子遺伝学による研究」から、PINK1によってリン酸化されるタンパク質がParkin以外にもあることが想定されており、京都大学の石濱泰教授との共同研究によりPINK1がリン酸化する新たなターゲットとなるタンパク質を探索し、ユビキチンを同定した。
ユビキチンはタンパク質に鎖状に付加(ポリユビキチン化)されることによりタンパク質の分解シグナルとなる特殊なタンパク質だが、PINK1はユビキチンだけでなくポリユビキチン鎖をもリン酸化することがわかったという。
さらに、ミトコンドリア上にリン酸化ポリユビキチン鎖を形成させると、それを目印にParkinが呼び寄せられ、リン酸化ユビキチンやリン酸化ポリユビキチン鎖でParkinの2つ目のスイッチが入ることを明らかに。つまり、PINK1とParkinが協業でミトコンドリア上にリン酸化ポリユビキチン鎖を形成することにより、すばやく残りのParkinが呼び寄せられスイッチが入るという、効率の良い不良ミトコンドリア除去の仕組みを発見したとのこと。